③ロータンク式便器の修理

ケース1
タンクの水位が高まりオーバーフロー管から水があふれて流れ出している。
ボールタップの弁から何らかの原因により、水を止められない状態です。その原因として考えられるのは次の通りです。



①ボールタップの止水位が高すぎる
手で浮玉を持ち上げてみてください。それで水が止まるようならボールタップ自体の異常はありません。ボールタップの止水位が高く浮玉の浮力が十分に利用できていないわけですから、手で浮玉の指示棒を曲げて、オーバーフロー管のあふれ口より2~30mmくらい下で水が止まるよう水位を調整してください。なお浮玉指示棒を曲げる際はタンク内の水を排水した後、一旦ボールタップ本体から浮玉指示棒だけをはずして曲げるようにし、調整後はロックナットを強固に締め付けておきます。

②浮玉のはずれ
浮玉がはずれていると浮玉の浮力を利用できませんから水が止まりません。一度タンクの中の水を流してしまってから浮玉を棒にねじ込みます。

③ボールタップ弁のパッキンのいたみ
手で浮玉を持ち上げ、力を加えても水が止まらないようならボールタップ弁の不具合です。たいていはパッキンを新しいものにかえれば直ります。まれに、水道管中の砂利などの異物がパッキンと台座との間にはさまって、水が止まらないこともあります。異物を取り除けば直りますが、この異物のため台座に傷がついているとパッキンをかえても水は止まりません。ボールタップ全体をとりかえてください。

ケース2
タンクの水位はオーバーフロー管のあふれ口まできておらず、水はタンクの底の排水弁から流れ出している。
いくつかの原因が考えられます。一つずつ点検してください。



①鎖がからまって充分に栓ができない。
鎖がたるんでいれば問題はありませんが、からまったり、あるいは鎖のあそびが少なすぎて浮ゴムが充分に降りきれずに、排水弁と浮ゴムの間に隙間が出来ることがあります。鎖のからみを直し、浮ゴムが排水弁に正しく降りるようにします。

②浮ゴムが排水弁からはずれている。
浮ゴムをオーバーフロー管に固定している部分がはずれて、そのため浮ゴムが正しく排水弁にかぶさらないことがあります。正しく排水弁にかぶさらないと止水しませんから浮ゴムを正しくとめます。

③浮ゴムが老化・変形して隙間ができている。
長い間には浮きゴムが老化して変形することがあります。また何かの力が加わって変形していることも考えられます。このような変形によって浮きゴムと排水弁との間に隙間ができ水が漏れることもあります。この時は浮ゴムを新しいものと取替えてください。