作家 川北町二 魅惑の世界

第5話 夢遊

◇ 第5話 夢遊

想像を超えた現象が私の目に飛び込んできたのです。仰向けに寝ていたはずの、かの女性が、むっくりと起き上がり、私の方に顔を向け、そして手招きするではありませんか。こともあろうに、「山の女神」が私に向かって手招きしたのです。いや、少なくとも私には、そのように見えたのです。
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