作家 川北町二 魅惑の世界

第6話 パニック

◇ 第6話 パニック

私は、携帯電話の音で目が覚めました。ソファーに深く身を沈めたまま眠っていたようです。半分うつらな感覚でしたが、ポケットから携帯を取り出しました。携帯の小さな窓からしきりに青白い光が点滅していました。他の客の迷惑になってはいけない。私は無意識に店のドア方向に歩きドアを押し開きました。頭上で鈴の音が激しく鳴りました。駐車場の砂利がザクッザクッと4、5回音を立てました。そして、背の方向で、カチッというドアの閉まるかすかな音を聞きました。
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