この物語は正義感に満ちた一人の男の物語です

第6章 決断 ②

めもるの奇跡

◇ 第6章 決断 ②

東京駅で手土産を買い、長野県の篠ノ井駅に着いたのは10時少し前であった。日帰りだから身軽だった。  初めて降り立ったホームの中央付近で二人の女性が手を振っていた。一人は亜希子と分ったが、亜希子の後ろで、隠れがちに小さく手を振っている女性がいた。亜希子の妹と思われる。早川は少し急ぎ足で二人に近づいた。亜希子の顔は喜びに満ち溢れていた。ようやくこの日が来たんだという思いがはち切れていた。走って行って早川に飛びつきたい思いであったが、妹の手前その気持ちを抑えた。
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