◇ 連動型CADと汎用型CADの相違点

CADには大きく分けて汎用型と専用型の2つのタイプがあります。
どちらのタイプにも長所と短所があります。
両方の長所を兼ね備えておれば理想ですが、
プログラム開発上、すべてを満足させるという訳にはいかないようです。
大事なことは、
ユーザーの業務内容や利用目的に合わせて、
操作性なども考慮して、どのタイプにするかを選択することだと思います。

連動型CADと汎用型CADの相違点

◆ 汎用型(分離型)の特徴

  • 生産性よりは、図面を模様として細かく描くことを最大の目的としています。
  • 線や点に、属性をあまり持たせていないため、あらゆる図面を描くことができますが、積算は単独ではできません。
  • 部材を、図形(シンボル)として登録しながら入力していくため、新規の部材がでるたびに新規に部材登録が必要となります。
  • 石材加工業、配管設備業、土木業など広い業種に対応可能です。
  • プログラムの構成としては、入力情報や線画に属性を持っていないために、各図面毎に入力を繰り返します。分かり易く言いますと、ドラフターで製図していくイメージで図面を完成していきます。
    入力(登録) 提案図面 出力(平面図、立面図、パース)
    入力(登録) 施工図面 出力(矩計図、伏図)
    入力(追加修正) 積算 出力(見積書、部材明細書)

◆ 専用型(連動型)の特徴

  • 省力化、迅速化を目的としており、
    プログラム上あらかじめ建築知識を与えておくことにより、データを自動的に生成します。
  • 部材を単なる図形模様としてではなく、線や点に属性を持たせているため、
    在来工法、2X4工法、鋼構造等に特化でき、積算・見積書の自動作成に威力を発揮します。
  • プログラムの構成としては、
    入力と作図の部分が一体化であるため、連動型とも呼ばれています。

    データ入力⇒全てに連動 提案図面 出力(平面図、立面図、パース)
    施工図面 出力(矩計図、伏図)
    積算 出力(見積書、部材明細書)
    • 入力された一つのデータは、
      全ての図書データに瞬時に変換されますので、
      データ入力完了時点で、すでに各図面が作成されています。
      同様に数量算出は予め登録されているデータに基づき、瞬時に行なわれます。
      それぞれの出力図書の加筆修正は自在に出来ます。


◆汎用型と専用型との主な違い

他にも多くの相違点がありますが主だったものだけ記述します。

項目例 汎用型(分離型) 専用型(連動型)
矩計図 似たような登録パターン図形を呼び出し、部材名を修正したり高さを指示する。かなりの手間と時間を要し、特に新規のパターンの場合は、登録された図形を利用できず、新規に作成しなければならないため手間取る。 入力された建物情報に基づき、既に総てのデータが整備されているため出力は自由自在。例えば、部屋の仕上や外部の仕上、構造材情報、断熱材情報、屋根情報、寸法情報、等々完璧に自動作図する。部材名や寸法の入力は不要。 切断面や表示範囲は目的部分を自由に指示できる。
伏 図 登録パターンを呼び出すため、根太が同一方向であったりする。階段や框線も単なる平面図上の模様としかみないため、伏図や内観パースに反映しない。 根太方向やピッチを自動で描き分けるほか、框の下にブロックを自動作成したり、また玄関戸の下は欠き込み基礎を作るなどの建築の常識を持っている。
積 算 部材は単なる図形模様であり、線や点に属性を持たないため積算には殆ど反映しない。見積漏れのないように追加入力を必要とする。いわゆるEXCELなどの、表計算ソフトや市販の見積ソフトを、別途運用することで見積書が完成する。その場合、手拾いした数量を、手入力しなければならず、物件毎に大変な手間を掛けることになる。 各部材に属性を持たせているため、各入力情報と完全に連動する。例えば階段材は、入力情報に基づき、段板やけこみ、ささら桁等をそれぞれに拾い分けする。木材を1本1本拾い出す、いわゆる木拾い作業は、正確にしかも短時間(数秒)で処理してくれる。

JWCADは汎用型のCADになります。
SUNCAD製品は全て専用型(連動型)のCADに該当しますが、
JWCADと同程度の汎用CAD機能を搭載しています。
ですから、
データを敢えて変換することなく、システム内で簡単に加筆修正が出来ますので非常に便利です。