◇ 第二章 宝石箱 沢田課長の言っていた二・三日どころか、一週間経っても二週間経っても課長からの声掛けがなかった。東条物産との取引の案件は、座礁に乗り上げたなと津山は推察した。津山のデスクの後方のすぐ近くに課長のデスクはある。その後の経過がどうなっているのか、余程尋ねようかとも思いはしたが、何か事情があっての事だろうと、気にとめないことにした。 短編小説 建の鐘