建物本体の構造に『耐震』という意識を注入
家屋の地震対策は大別して『制震』『耐震』『免震』の3種類に分かれます。それぞれにメリット・デメリットがありますので、前もって慎重に検討する必要があります。おおまかな特徴等については別表をご覧ください。
木造住宅耐震設計モデルプラン集は主に以下のような趣旨に基づいて作成しています。
在来工法の従来からの施工法はそのままに、建物本体の構造に『耐震』という意識を注入することで、地震から家屋を守るための大幅な改善策を施すことが可能となります。コストも低く抑えられます。もちろん地震の規模によっては、完全に安全というわけにはいきませんが、少なくともより安全な家屋になることは間違いありません。その上でコストが許せば『免震』等の技術をプラス施工することで、より強固で安全な家屋になります。
下表は制震装置や耐震構造、免震工法のそれぞれに、家屋の地震対策上どのような違いがあるかを表したものです。それぞれの特徴を生かして、混合採用することでより安全な地震対策を実現することも可能です。物件により異なりますのであくまで参考にしてください
家屋の地震対策上どのような違い
| 項 目 | 耐 震 | 制 震 | 免 震 |
|---|---|---|---|
| 期待される効果 | 耐力壁の種類や配置を調整し偏心率を限りなく0に近づけて地震の揺れに抵抗する | 壁に伝わってきた地震エネルギーを吸収して揺れを抑える | 建物の基礎部分に装置を設置して地盤の揺れを建物に伝えにくくする |
| 加速度の低減 | 加速度は低減されにくい | 加速度が低減される | 加速度が大幅に低減される可能性あり |
| 建物の変位低減 | 筋違や構造用合板の配置を考慮し、5つのチェック項目をクリアすれば耐えることができるが、高い施工精度が求められる | 耐震比で最大50%程度の変位低減が可能とされている | 耐震比で最大90%程度の変位低減が可能とされている(地震周期に影響される) |
| 敷地の地盤 | 敷地が軟弱地盤の場合、基礎の沈下・変形・移動等による建物損壊が考えられるので地耐力5t/㎡以上の地盤が望ましい | ||
| 備考 | 施工精度により繰り返しの地震に対しダメージの可能性あり | 新築・増改築に使用可 | 長周期地震に対しては適していない |
| 施工価格 | 安価 | やや高い | かなり高い |
| 参考サイト | |||
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