小説 めもるの奇跡 ◇ まえがき ある小さな町で生まれた一人の男の子は、三歳の時、原因不明の病気にかかってしまった。広くもない部屋の古ぼけた畳に、赤茶けたタイヤのチューブが置かれていた。そのチューブを覆うようにして座布団が置かれ、その上で男の子は辛うじて息をしていた。 2023.06.13 2024.02.16 小説 めもるの奇跡