小説 めもるの奇跡 ◇ 第4章 意地と野望 早川は国際コンペに向けて精力的に動いた。帰りが深夜になることも度々あった。五階の特別室は熱気でむんむんしていた。早川とスタッフのミーティングが頻繁に行われ、たまに早川の激が飛んだ。データや情報は全てパソコンに打ち込まれ着々と準備が整って行った。予定のスケジュールより幾分速いペースでは進んで入るが、実作業の段階で予期せぬことが起る場合を考えて、早め早めに作業を進めていた。作品の提出まであと半年しかなかった。 2023.06.13 2024.02.16 小説 めもるの奇跡