小説 めもるの奇跡 ◇ 第6章 決断 ② 東京駅で手土産を買い、長野県の篠ノ井駅に着いたのは十時少し前であった。日帰りだから身軽だった。初めて降り立ったホームの中央付近で二人の女性が手を振っていた。一人は亜希子と分ったが、亜希子の後ろで、隠れがちに小さく手を振っている女性がいた。亜希子の妹と思われる。 2023.06.14 2024.02.16 小説 めもるの奇跡