◇ 将来に対する不安がもたらした窮余の対策とは

◆ 輝き続ける企業でありたいと思う ◆
SUNCAD-ULTRA-W
不況会社を経営する方々にとっては、極めて厳しい現実を突きつけられている昨今であります。それはまさに鋭利な刃物で、今にも一突きで身体をズタズタにされようとしているに等しい状況と言っても過言ではないくらいの厳しさだと思われます。この難局をどうやって乗り越え、いかにして安定した経営を確立するかが今問われてると思います。
【今問われている問題点についての考察】

◇ 将来に対する不安がもたらした窮余の対策とは
C社長は、A主任が元気になり、また従来のように活躍してくれている様子を見ながら、一応安堵したものの、どことなく将来に対する不安めいたものが頭をよぎるようになりました。何とかしておかないと、という思いが日増しに強くなってきたのです。

そこでC社長は、木造住宅の積算・見積に特化した優れたソフトはないものかと、インターネットで連日熱心に検索、探しました。
そして、何社か問合わせしたり、デモをしてもらったりしましたが、思っているシステムといまいちしっくりこない感じがしていました。

私どもに連絡があったのは、そんな時だったようです。C社長の話によりますと、ホームページ を見て、直感的に、もしかしたらという期待感が湧いてきたそうです。

会社を訪問させていただき、C社長にお会いできました。
名刺に小さく一級建築士とありました。応接間に通されたとき、C社長の傍らの作業着を着た二人の技術者を紹介されたました。
積算専門の担当者ということで、デモや説明はこの二人の社員にしてくれということでした。
名刺の肩書きは、一人は二級建築士で、積算担当のAという主任で40歳前後と思われました。もう一人は同じく二級建築士でBという社員さんで、30歳を少し出たくらいの年齢かと思われました。

私どもは、デモや説明の際は社長も同席していただくように、強くお願いしましたが、時間が取れないという理由で実現しませんでした。
なぜ社長の同席を求めたかは、過去の経験からそれなりの理由があります。このことは後述します。

SUNCADのデモ社長が退席された後、そのA主任とB社員との初対面の挨拶もそこそこに、システムについての説明に入りました。そして、一通りのデモ実演を交えながらの説明が終わりました。A主任にお聞きしました。
「いかがですか?どんな感想ですか?」
と、評価についてお聞きしました。すると、真面目で人のよさそうな、そのA主任は、一言、
「なかなか良く出来たシステムですね。これだと業務上大助かりですね」
と、ニコニコしながらお話されました。
私どもは、高い評価をいただいたものと判断しました。

続けてA主任曰く、
「このことは社長に良く伝えておきますので、社長と打合せして下さい」
「後日社長から連絡があると思いますので、それまでお待ち下さい」
とのことでした。通常このような場合は、次に見積書提出に関する打合せと解釈します。
私どもは、
「お忙しい中、貴重な時間を割いていただきありがとうございました」
と丁重にご挨拶して、その会社を後にしました。

◇ 不調に終わった原因

ところが、三日たっても、五日たっても連絡がありませんでした。思いあぐねてまずA主任に電話してみました。
「先日はありがとうございました。いかがでしたか?社長さんにはお話していただきましたか?」
「はい。話しておきましたが、連絡ないですか?」
「そうですか。じゃ改めて社長さんに連絡入れてみます」

翌日、C社長に電話しました。
「社長、先日は大変ありがとうございました。早速ですが、A主任から評価の話ございましたでしょうか」
「うん、あったよ。骨折ってもらって悪いけど、今回はおたくのシステムの導入は見送ることにした」
「あのー、主任からのお話はどんなお話でしたか?」
「あまりたいしたシステムじゃないような言い方だったけどね」
「そうでしたか。残念ですが、仕方ありませんね。ありがとうございました」
電話先で、私どもが絶対の自信を持っているシステムについて、なんたるかを語ったところで、何の進展もないと判断し、電話を静かに置きました。

電話を切って改めて思うことでした。
あのA主任のニコニコしながら語ってくれた評価は一体なんだったんだろう。
そして、この社長もやはり、いつまでも悩みを解決できないまま、会社を運営しなければならない一人だったのだなあ と勝手に思うことでした。

通常ですと、話はここでおしまいになるはずでした。ところが、事態が急転したのです。

一週間から10日ほどは経っていたと思うのですが、C社長から電話がありました。
「いやあ社長、その節はどうもありがとうございました。どうかされましたか?」
「うん、どうもこうもないよ。今すぐ来れないかね?」
「はい、今でしたら大丈夫です。すぐお伺いします」

どうもこうもないよ、とC社長に言わせた事態とは次のようなことです。

  1. A主任がまた体調を崩し、しばらく出社が難しくなった。
  2. A主任の報告にある、SUNCADシステムに対する評価が、どうも個人感情が含まった『正しくない評価』ではないかという疑問点が明らかになった。
  3. それはA主任とB社員の評価が大きく食い違っていることから、社長自身が、A主任の評価に対し疑問に思うようになった。
  4. B社員の話によると、A主任は、SUNCADが社内に導入されれば、自分の能力を発揮するところがなくなり、首になってしまうのではないかということを恐れていた。
  5. デモと説明の当日、私どもが社長の同席を強く求めていたことの理由を、今回の社内の一連の動きの中で、社長自身が理解できたこと。

「いやあ、すまん。社長業失格だね。アハハハ。」


つづく ⇒ なぜ業績が急転したのでしょうか