◇ 適正な利潤の正体が見えていますか?

◆ 輝き続ける企業でありたいと思う ◆
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不況会社を経営する方々にとっては、極めて厳しい現実を突きつけられている昨今であります。それはまさに鋭利な刃物で、今にも一突きで身体をズタズタにされようとしているに等しい状況と言っても過言ではないくらいの厳しさだと思われます。この難局をどうやって乗り越え、いかにして安定した経営を確立するかが今問われてると思います。
【今問われている問題点についての考察】

◇ 適正な利潤の正体が見えていますか?
ではその適正な利潤の正体は何なのでしょうか。
釈迦に説法とは、まさにこのことを言うのでしょうが、考察をしてみたいと思います。

以下の参考事例の中に、答を見つけることが出来るのでは、と思っております。

◇ ある会社での出来事です。(敬称略)
事務員を入れて7~8人程度の、木造住宅を専門に受注している会社でのことです。
その中に、積算を専門に担当しているA主任がいました。

積算業務A主任の忙しさは並ではありません。朝早くから夜遅くまで、時には深夜に及ぶこともありました。
他社との激しい競争の中で受注をしていくには、コストを強く意識した設計のあり方や、設計そのものの良し悪しも当然ながら大事な要素ではありますが、何よりもお客様に対する価格の満足度が生命線です。
そして、厳しい価格管理の中から生まれる『利潤』という、会社存続の為のエキスを、適性に蓄積していく高度な運用技術が求められます。
ですから、会社にとっては、A主任はまさに会社のキーマンであり、なくてはならない存在でした。積算部門を一人で切り回している彼の姿を見て、社長はかねてから、
「彼が会社を辞めたらほんとに困るんだよなあ」
とおっしゃっていました。

ところが、その主任がある日突然、とうとう病気で倒れてしまいました。かねてから、同僚たちが心配していたことが現実となってしまったのです。

悩み途方にくれ、困り果てた社長は、
急きょ、設計担当のB社員に積算担当を命じました。
突然新担当を命ぜられたB社員の困惑振りは目に余るものがありました。
設計の経験は多少あっても、積算の経験は全くといっていいほど無かったからです。 もちろん一応建築技術者ですので、その気になって、それなりの時間さえ与えられれば、熟練度は増していくのですが……。

それからの事は想像にお任せしますが、それを境に受注が減り業績が悪化していったことは事実です。たった一人の社員が病気で倒れただけで、これほどの影響があるなんて誰が想像したでしょうか。

もちろん設計や施工の良し悪しもとても大事ですが、受注の鍵は、営業戦略に於いて、他社との価格競争をいかに撃破していくかが勝負です。まして昨今の不景気風、その成否はまさに会社の死活問題にも直結する危惧をはらんでいます。
そんなことは、ここであえて述べるまでもなく、経営者ならどなたでも考えている初歩的な課題です。

この会社の場合、A主任の病気が回復すれば、また元通りに業務は遂行していくだろうとは思いますが、もしも、A主任に匹敵するくらいの社員が、突然退社するとなると、ことは重大です。

以上、一つの事例として取り上げましたが、このようなケースは、あながち無いことは無いような気がしてなりません。病気や退社は日常いつ起こってもおかしくないからです。

そこで、会社として、むしろこのような状況を作り出さない知恵と対策が求められてきますが、果たし妙案はあるのでしょうか。

先ほどの会社の社長の取られた行動が一つのヒントとなると思われますのでご紹介します。

話を分かり易くする為に、この会社の社長のお名前をC社長とします。

以下は、C社長から直にお聞きした内容です。


つづく ☞ 3.将来に対する不安がもたらした窮余の対策とは