■ はじめに
木造住宅のコストシミュレーションをするにあたり
同仕様で同規模の住宅のコストが、
階数を変えたりモデュール(基準寸法)を変えたりすることによって、どのように変化するのか、
また総2階矩形の建物と不整形2階の建物では、どの位のコスト差が出るのか、
あるいはまた同じ間取りの場合で、切妻と寄棟あるいは片流れはどの程度の価格差があるのか、
天井を高くしたらどのくらい価格が上昇するのか、
等々、住宅のコストの本質を探るためには、いろいろな角度からシミュレーションを試み、これを詳細に分析し、データの言おうとしていることを的確に把握することが極めて大切なことです。
ところが、これらの価格分析を手作業で行うには、とても大変です。そもそも坪単価いくらの世界を作り出したのは、この面倒な作業が原因なような気がします。
最近では素晴らしいCADの出現で、これらの作業が正確にしかも短時間で処理できるようになりました。単に図面の作成だけにとどまらず、単価管理や発注管理をはじめ、耐震設計の例えば偏心率を図面と連動して自動出力出来たりするCADが本物のCADと言えます。
これからお見せするシミュレーションも全てこのCADのお陰で出来ました。誠にありがたいことだと思います。
シミュレーションの各テーマについてはサイドメニューに記してあります。それぞれ独立したテーマになっていますので、興味のあるテーマをクリックして下さい。
なお、図面の掲載されているページは、少し重たいかもしれません。そのつもりでご覧ください。
■ 使用CADについて
本ホームページに載されているすべてのデータは、連動・自動タイプの SUNCAD ULTRA-W で作成されています。
先にも述べましたが、このプログラムソフトは、図面精度には元々定評がありますが、絶対に見逃してはならないのは、卓越した積算への連動機能による受注見積書や下請への発注書作成、構造材や造作材の正確な木拾い、耐震設計上必須のデータ出力等々が全て図面と連動して、自動化されているところにあります。
このソフトには編集可能な膨大な量の単価マスターが内蔵されています。しかも、内蔵されているデータを、どのようにでもカスタマイズできますから、自社のオリジナルな見積り形態を構築することができます。
カスタマイズされたデータを元に、連動・自動がすべてに機能するという、この凄さは、まさにウルトラマンです。派手さはありませんが、求めるものをキチッとだしてくれる点では、プロ好みのプログラムソフトと言えます。
プレカットマシンとの連動も可能だということは、図面を単なる線としか認識しないタイプのCADに比べて、建物の構造自体を自動認識することが出来るということでもあります。
もはや人間に近い頭脳を持ったこの手のプログラムソフトは、業界において、今後ますます重要な役割をになう存在として、脚光を浴びていくことと思われます。
■ 建設単価について
価格については、このHP作成時の実勢単価(原価相当)にて算出してあります。
都度単価を更新すればいいのですが、大変な作業量になります。そんな訳で更新していません。悪しからずご了解下さい。
従いまして、データの見方としては、単価そのものが各地区のものとも当然違いますので、金額そのものよりも比率や傾向等を中心に理解していただいた方が適切だろうと思われます。
また、積算(数量算出)については、図面による実数拾いをしております。いわゆる現場でのロス率は計上しておりませんので、あらかじめご理解の上お読み下さい。
プログラムソフトにロス率を計上させることは、もちろん可能なのですが、ロス率については、それぞれ意見の違い等もありますので、データとしては取り入れないほうが良いという判断をさせていただきました。
言うまでもありませんが、そもそも単価は設計に基ずき算出された積算及び見積を、当該面積で除したもので、いわば結果にすぎません。
いろいろなケースのシミュレーションを行うことは、こういった結果としての単価を、事前により正確に予測出来るという点で、とても重要な試みだと思います。
単価データを単なる予想としてではなく、現実的で具体的な生々しいデータとして掲載することには、少なからず躊躇するところもありますが、業界発展の為、あえて掲載いたしました。
建設単価は常に変動しております。従いまして、掲載しております価格とは異なる場合もあろうかと思われます。ご理解いただければありがたいです。