・新聞は豊かな人生を送る為の一つのツール
・一日100円強で得られる価値を取り込もう
・新聞記事をスクラップして活用しよう
・夫婦間の会話レス問題はコレで解決
・教育現場でのデジタル化について考える
・絶対に失いたくない教える立場の品格
・新聞の人生相談欄に救われた夫婦の例
・長く記憶に留めておく為の新聞の知恵
「新聞取ってる?」
「取ってない。スマホで見てる」
「えっ、スマホで新聞見てる?」
「そうよ、どうして?」
新聞は知識の宝庫、脳の活性化に効果あり?
(人生の深みは新聞がもたらしてくれる)
「最近、新聞を取っていない家庭が多くなっているとは聞いてたけど、へえ~」
「驚いたような顔をして、そんなに驚くような事かしら?」
「改めてそう言われると、考え込んでしまうなあ」
「どうして?……どうして考え込むような事なの?……分らない」
「じゃさ、どうして新聞を読まないのか、そこの所から教えてくれる?」
「あなたが言う新聞は、朝又は夕方に配達される紙の新聞の事よね?」
「勿論そうだよ」
「どうして取るの?勿体ない」
「勿体ない?価値がないとでも?それとも購読料が?」
「いや、そうじゃなくて、スマホやパソコンで見れるから、それで十分と」
「パソコンはまだ分らないでもないけど、あの小さな画面でよく見る気になるね」
「慣れれば平気よ。画面を拡大したり縮小したり、自由にできるから」
「目が疲れない?」
「確かにそれはあるわね。でも、長時間じゃないし、気にならない」
「う~ん、分らないでもないけど、そういう時代になったって事かなあ」
「紙の新聞なんて、もうダサいわよ。デジタルの世界になってるのよ」
「……」
「フフ、答えようがないって顔ね」
「うん、もう『お好きなように』と言ってしまえば、それでも良いとは思うけど」
「何か気になる事でもあるの?」
「あるある、相当気になる」
「それ程までに言うって事は、新聞にかなりの価値を見出しってるって事なの?」
「うんそうだけど、何だかこの話したくなくなった」
「あら、そう言われると逆に気になるわ。新聞を読む価値って何処にあるの?」
「その前にちょっと聞くけど、スマホで何を主に見てるの?ニュース?エンタメ?」
「両方よね、それにスポーツの試合結果とか、動画とかインスタグラムとかね」
「もし知りたい事があれば、検索機能を使えば十分とでも?」
「そう、まさにその通りよ。それで私は満足よ」
「なるほどね、アイ、分りました」
「何だか、投げやりな言い方ね。不満足そうな顔よ」
「あはは、そんな事ありませんよ。ハイ、そんな事ありません。お好きにどうぞ」
「じゃあ、新聞を読む価値って何処にあるの?答えてよ。俄然知りたくなった」
「ちょっと話を横道にカーブ」
「それは私の専売特許なんですけど」
「ちょっとお借りします。100円くらいで買える商品て、例えば何がある?」
「何言ってるのよ、100円ショップに行けば山ほどあるわよ。自販機でも買えるし」
「それは分るけど、どの程度の価値がある?」
「価値?必要に応じて購入する訳だから、それなりの価値があるんじゃない?」
「例えば朝刊と比較したらどう?」
「えっ?朝刊と比較?駅の売店で売ってるわね。一部100円ちょっと位かしら」
「うん、その朝刊と比較して、どうなのって聞いてるんだけど」
「価値の比較したら、断然新聞の方でしょう」
「今、断然新聞と言ったよね。その根拠は?」
「根拠?情報量とか情報価値を値段に換算したら、比較にならないと思う」
「ありがとう!それを聞きたかったんだ」
「段々読めてきた。横道に入って、何処かに誘い込むつもりでしょ?」
「そう、今、君を誘い込む入口を探してる」
「まさか、公序良俗に反するようなことは考えていないでしょうね」
「あはは、良く言うよ。何処からそういう発想が生まれるの?」
「だって、私を誘い込む入口を探してるって言うから」
「あった、ほらあそこ『新聞を愛する人だけの門』と書いてある所」
「ん、まあ、どうしても新聞を読ませる気なんだ」
「そう、君の今後の人生が、より豊かになって欲しいという僕の親切心」
「新聞を読むと、より豊かな人生が送れるって言いたいの?」
「その通りだよ。どうしてか聞きたくない?」
「より豊かな人生が送れるんだったら、誰でも聞きたいわよ」
「スマホとかで、ニュースを見たり話題性のある記事を読むのは良いと思う」
「人ぞれぞれの考えだから、とやかく言われたくない」
「同感ですが、視点を変えて、より豊かな人生が送れる一つのツールとして」
「この際、新聞の事を考えたほうが良いよと言いたい訳だ」
「その理由を言うから、アドバイスとして受け止めてくれたら嬉しいけどね」
「もしかしたら、あなたは新聞社の回し者?」
「おっと、今度は新聞社の回し者にされてしまったか。あはは、ハイ」
「じゃ、その理由とやらを、じっくりお伺いしましょうかね」
「一つだけ質問に答えてくれる?」
「ん?何?」
「例えば知りたい事柄が生じた時に、検索機能を利用するんだよね?スマホで」
「モチそうよ。誰でもやってる事でしょ?」
「その知りたい事柄って、君独自の知りたい事だよね」
「そんなの当たり前でしょ?バカな質問、少し頭おかしくなったんじゃない?」
「うん、元々頭が賢くないのは自認してる。バカな質問も承知の上です」
「ん?」
「聞きたいのは、一日に何回くらい検索機能を利用してるかって事なんだけど」
「それは日によって違うわね。一回も検索しないなんて事も結構多いし」
「ごめん、もう一つ教えて。一般的な知識を得る方法はどうしてるの?スマホ?」
「一般的な知識って?」
「興味ないかも知れないけど、例えば、人生の知恵袋なんていうのは?」
「ん?……、スマホで検索すると出てくる他に、書物とか?雑誌とか?」
「結構面倒なことをするんだね。通信料も範囲内だったら良いけど。目も疲れる」
「そう言われればそうね、無意識に操作してる感じよね」
「別にスマホを悪く言うつもりは、もちろん毛頭ないんだけど、少しね」
「あ、分った!毎朝配達される新聞を読めば、自然と知識が得られると言いたい?」
「膨大な量の情報量と価値が、毎朝自分の手元に届く。これって凄くない?」
「……」
「しかも、一日当り100円ちょっとの購読料だよ?どう思う?」
「考えてみたら、メチャ安いわね」
「スーパーのセール日、10円、20円安い商品を目掛けて殺到する。行列が出来る」
「そんなの比較する方がおかしいわよ。次元が違い過ぎる」
「いや、そんな事ないよ、生活っていうのはそんなもんだよ。大事な行動さ」
「何が言いたいの?」
「新聞の高付加価値ある知識の大安売りに、どうして行列しないのか疑問なんだ」
「お~、なるほど、なるほどねえ~。目から鱗ね」
▼ 一日100円強で得られる価値を取り込もう ▼
「これ以上説明する必要はないと思うけど、実は新聞には重大な事が隠されている」
「重大な事?」
「普通さ、一日当り100円ちょっとの購読料って、絶対にあり得ないと思わない?」
「そう言えばそうね。人件費とか材料費とか、色々経費が掛かってる筈だからね」
「良く考えてご覧よ、A2サイズの新聞紙が20~30数ページもあるんだよ」
「そうよね、紙代だけでも100円ちょっとどころじゃないわよね」
「そうなんだよ、なのに、なぜ新聞社は低価格で販売出来るのか知ってる?」
「販売部数が多いから元が取れてる?……違う?」
「モチそれもあるかもしれないけど、広告料だと思うよ」
「あ、そうよね。きっとそうよ。なるほど」
「新聞紙面の、およそ半分くらいは広告で占めてる感じだよね」
「そうかも」
「広告の多さに『何だコレ!』と、うんざりする時もあるけどね」
「広告って興味がなければそうなるわね。テレビだってそうだもの」
「でも、広告の中にも、とても為になる広告もあるよ。特に広告記事はね」
「そうなんだ、だったら、満更でもないのもあるってことよね」
「うん。ま、広告との関係は、テレビやネットと同じだけど、新聞の場合」
「大衆紙として安く提供する、一番良い方法なんだ。広告主とのWinWinの関係?」
「多分、運営費に膨大な経費が掛かってる事は、容易に推察出来る」
「それを広告料収入で賄ってるって事なんだ。ということは?」
「一番言いたかった事はそこなんだ」
「……」
「『新聞を購読しない理由が分らない』と声を大にして叫びたい」
「ア、ヤッパリ、マワシモノダ……」
「新聞のもたらす価値は、他では絶対に得られない」
「絶対って言い過ぎだと思うけど、100円強でこれだけの価値って言いたい?」
「スマホはスマホの優れた点が多々あるから、やめた方が良いとは言わないけど」
「新聞を購読した方が良い、と言いたい訳ね」
「人生に深みをもたらしたいんだったら、是非そうして欲しいね」
「分りました、良く検討して善処したいと思います」
「あれ、何処かで聞いたような」
「フフ」
「特に勧めたいのは、子供さんのいる所帯だね」
「えっ、子供さんのいる所帯?新聞って子供の為になる?
「その通り、広範囲の一般常識や知識を得るには、もってこいのツールだよ」
「小さい時から読むと賢くなる?」
「うん」
「でも、小さい時、実家は新聞来てたけど、私は賢くないわよ」
「あはは、いくら新聞があっても読まなきゃ意味ないよ。漫画ばかり見てた?」
「あちゃ~、バレバレ」
「でも、君はまれだね。新聞読まなくても、それだけ賢かったら申し分ない」
「あら、誉められた。嬉しい」
「もっと賢くなりたかったら?」
「ハイハイ、分ってます」
「ほんとに分ってんのかよ、心配だなあ」
「ちょっとお伺いしますけど、新聞を読んでる時間てどの位なの」
「毎朝、一時間程掛けてじっくり読んでる」
「へえ~、一時間も?」
「うん、それでも足りない位かな」
「そうなんだ、道理で」
「ん?道理で?何だ?」
「さっき『少し頭おかしくなったんじゃない?』とか言ったけど、取り消します」
「あはは、取り消さなくてもいいよ。事実だから」
「いいえ、ごめんなさい!失礼なことを申しました」
▼ 新聞記事をスクラップして活用しよう ▼
(スクラップ記事を議題にした意見交換会のおススメ)
「もし、新聞を取る気になったらの話だけど」
「ん?何?早速新聞購読を申し込むから話して!」
「良いアドバイスがあるんだ」
「聞きたい、教えて!」
「気になった記事とか、役に立ちそうな記事を、毎日スクラップすると良いよ」
「してるの?」
「してる。もう何冊にもなってる。後で読み返すと凄くいいね。知識の宝庫、宝物」
「あ、そうなんだ、アナログの世界って、そういう良さがあるのね」
「情報過多の今、その分情報の寿命がどんどん短くなっているよね」
「情報の寿命?」
「賞味期限みたいなもので、大きな話題もすぐに忘却の彼方になってしまう」
「そそ、次から次へとニュースが現れては、あっという間に消えていく」
「極端な話、昨日の情報が今日はもう忘れ去られていたりね」
「いえ、極端な話でもないかも、既に常態化してるんじゃない?」
「しかも、誰も振り向こうとしない。腐ってもいないのに賞味期限到来!」
「うんうん、言えてる、正にそんな日常になってしまったわね」
「一年前に起きた事など、もはや化石に等しいね。思い出すなんてとんでもない」
「飛んでダメなら、歩いては尚更ダメね」
「アハ、みんなその時々の情報に振り回されて、対応することに精神を消耗して」
「……」
「過去を顧みる余裕なんて、無くしてしまってるんだよね」
「実にゆゆしき事態よね」
「世の中がどんどん刹那的って言うか、味気の無い世界になって行く。悲しいね」
「どうして、そうなってしまったのかしらね」
「少し考え問題だけど、仕方のない誰も止められない現実だね」
「いつの間にか、おびただしい数の情報が氾濫する中で、生活を余儀なくされてる」
「全く同感だね。時代の流れと言ってしまえばそれまでだけど、何だかねぇ」
「その点、スクラップしておけば、いつでも甦るって訳よね」
「これが新聞の持つ最大の価値って言うか、命だね」
「なるほどねえ~、言えてるかも。スクラップする方法ってあるのかしら?」
「色々な方法があるけど、やっぱり原始的な方法が一番いいと思ってる」
「原始的な方法って?」
「新聞記事を、ハサミやカッターで切抜いて台紙に張る方法」
「結構手間の掛る作業ね」
「そこが良いんだよ。気に入った記事が愛おしくなって来るぜ」
「まあ、恋人みたい?」
「それに近いかも。小道具を使ったりして、そっと大事に大事に切り抜いて行く」
「切り抜く時に、何か考えながら切り抜いてるの?」
「良い質問だね!記事を書いた人に感謝しながら切り抜く。ありがとう!ってね」
「へえ~そうなんだ。……うん、そうよね。得難い情報を提供してくれてるから?」
「そうそう、世界中のリアルな情報が手元にあるなんて、凄い事だと思う」
「なるほど言えてる。しかも、テレビやスマホなどと違って、何度でも読み返せる」
「そこが最大の魅力っていうか、価値だね」
「小道具って?どんなの?」
「定規とか赤鉛筆とか」
「ふ~ん、ちょっとお聞きしますけど、スクラップ作業は毎日やる訳?」
「スクラップしたい記事が全然ない時もあるけど、それ以外は毎日やる」
「大変じゃないの?」
「いや、むしろ楽しい!毎日やらなきゃ意味がないよ。面倒臭いと思ってない?」
「うん、思ってる。そこまでやる?」
「そこまですると、台紙に張り付けられた記事に愛着が湧くんだよね」
「それはそうかも、その気持ち何となく分る気がする」
「後で読み返す時も、その気持ちで読むから熟読する。で、しっかり頭に入る」
「うんうん、かもね。でも、新聞紙って古くなると黄色っぽくなってこない?」
「そこがまた良いのさ。そういうのを味わい深さっていうんだよ。恋人と同じ」
「古くなった恋人と同じ?」
「味わい深くなった恋人って素敵だろ?そういう恋人ってなかなかいないぜ」
「ここでそんな話聞くなんて、思いも寄らなかったわ」
「何でもそうだと思うけど、大事に大事に付き合うと、幸せな感覚にならない?」
「なるほどねえ、大事にされるような恋人になりたいわね」
「お互いにね。新聞紙が黄色っぽくなるのが嫌なら、コピー版を別に作るとかね」
「コピー版?何だか話の流れからすると、浮気してるみたいな感じね」
「あはは、なるほど、そうとも言えるね。だから、原版を大事にする」
「スクラップは他にどんな方法があるの?」
「ネットの新聞記事をコピーするとか、スキャナーを利用するとか」
「あ、なるほど、テキストとか画像でも良い訳よね」
「それ用のアプリのあるようだから、それらを上手く利用する事だろうね」
「聞いてると、他人事みたいっていうか、お勧めじゃないみたいな言い方ね」
「勿論、超簡単にスクラップできるから、その点では良いと思うけど」
「ん?」
「何の目的でスクラップするか、という事からすると、ちょっとなあ」
「うんうん分かる分かる。原始的なやり方には、深い意味があると言いたい訳ね」
「はい、そうです。超簡単とか安直なやり方は、どこかすり抜ける感じがしてね」
「なるほどねえ、その気持ちよ~く分る」
「ありがとう」
「もしかしたら、熟読の度合いが違うと言いたいのよね」
「そうは言っても、ま、人それぞれだからね、お好きなようにだね」
「そうよね」
「新聞記事を熟読することで、脳の思考回路も、鍛錬されて成長すると思うよ」
「うんうん、スクラップされた記事を読めば、さらにそれが助長される?」
「さっきの話の子供さん達が、これをやると頭脳明晰になって成績も良くなる」
「ほんとだ!理屈に適ってるわね。スマホなんかじゃ得られない大きな利点だわね」
「ぜひ勧めたいね。スクラップしてファイルに張り付ける度に、脳に蓄積される」
「それが仕事とかに確実に生かされる。人生がとても豊かになる?」
「まさにその通りだね」
「手間を掛けて折角スクラップしたんだから、他に活用の方法ってないのかしら」
「今それを言おうとしたんだけど、とっておきの活用法があるよ」
「あら、そうなの?」
「これをやってる家庭はそう多くはないと思うけど、超オススメだね」
「家庭でやるんだ、家庭でやる利点ていうか、何か役に立つ事ってあるの?」
「うん、いっぱいあるよ」
「えっ、いっぱいある?どうやるの?」
「実は、この事について要約した記事を既に載せているんだ」
「あら、そうなの?」
「話が長くなってしまうから、そちらを見てくれる?」
「分りました。アドレス教えて」
「え~とね、これをクリックして!」
「分りました」
「工夫次第では、もっといいアイディアがあるかも知れないけどね」
「いい話聞いたわ。たかがスクラップと言うなかれね」
「物事を別な視点から考えることも大事な事だよね。意外な発見があるかも」
「目から鱗だわね。友達にも教えてあげよう」
「だね、特に子供のいる家庭に勧めるといいと思う」
「そうよね、でも勧めても実行しなきゃ全く意味のない事になってしまうわね」
▼ 夫婦間の会話レス問題はコレで解決 ▼
「実は一年くらい前になるかなあ、友人にこの話をした事があったんだ」
「あら、そうなの?」
「そしたら、とても嬉しい話を最近聞いたんだ」
「へえ~、どんな話」
「友人は俺と同じでまだ独身なんだけど」
「ええ」
「何を思ったか、少し年配の知人Aさんにこの話をしたみたいなんだよ」
「うん」
「Aさんは『いい話だ!』と言って、早速実行したみたいなんだよ」
「あ、そうなんだ」
「それがまた凄い事になったらしいんだ」
「凄い事?」
「詳しくは聞かなかったけど、Aさんの息子さんが見違えるようになったって」
「そうなんだ。見違えるって、どうなったのかしら。興味あるわ」
「なんでも凄く集中力が出てきて、記事の事を根掘り葉掘り聞いてきたみたい」
「お父さんもお母さんも、答えられない事もあってタジタジ?」
「そうかもね。でも、良い事だよね。普段そんな事ないからね。記事のお蔭」
「普通の家庭では考えられないわねえ~」
「何より喜んだのは、息子さんの成績が、少しづつ良くなってきた事みたいだよ」
「脳の集中力が高まると、成績が良くなるんだ。なるほどねえ~、そうかも」
「友人としては、Aさんに話した甲斐があったって、たいそう喜んでた」
「良かったわねえ~」
「これには後日談があって」
「あら、そうなの?」
「Aさんは、話を聞いて別な事が頭に浮かんだ」
「別な事?」
「Aさん夫婦は、あまり上手く行ってなかったみたいなんだけど」
「ん?夜の営み?」
「あはは、何でそっちの方に頭が行く訳?」
「だって、普通そうじゃない?」
「それは考え過ぎか、欲求不満の表れ」
「まあ、嫌な人!」
「この話を活用すれば、もしかしたら夫婦の問題が解決するのではと」
「なるほど、子供の事より、そちらが大事だったんだ」
「スクラップ記事を元に、意見を言い合う訳だから、自然と会話が出来る」
「夫婦間の会話レスが問題だと、最近話題になってるわよね」
「そうだね」
「子供の手前、奥さんも会に参加せざるを得ない?Aさん考えたわね」
「結果は大成功!おまけまで付いて万々歳!」
「おまけ?……あ、そうか、子供の事ね」
「そうなんだよ、予想外の事で、しかも夫婦仲は良くなるし」
「へえ~、スクラップって意外な効果があるんだ」
「まさに、意味は多少違うけど『スクラップ アンド ビルド』ってとこだね」
「ところで、夫婦間の問題って、ほんとは何だったの?」
「知りたい?」
「知りたいわよ。話して!真面目に考えたら、子供の教育の問題でもめてた?」
「あはは、それもあるかもしれないけど、止めとくよ」
「あら、どうして?」
「話したら、またまた横道に急カーブして話が長くなりそうだから」
「ん、まあ、ケチ」
「想像する楽しみもあるって言うよ」
▼ 教育現場でのデジタル化について考える ▼
(紙に印刷された文章と向き合う機会の必要性)
「関連することで、今とても危惧される事があるんだ。教育現場でね」
「教育現場で危惧される事?どんな事?」
「小中学校で使う教科書を、原則デジタル化するって話知ってる?」
「知らないわ。それって政府の方針?」
「うん、子供たちに、一人一台の情報端末を行き渡らせる方針らしい」
「それが危惧される事って言いたいの?」
「そうだよ」
「どうして?これからの時代、国際的にもデジタル化の波が押し寄せてくるから」
「今のうちに学習する事は良いと思うんだろ?違うんだなあ」
「違うと言う根拠っていうか理由あるの?」
「今、心配されてる事の一つに、スマホの長時間利用があるのは知ってるよね」
「うん、視力低下以外にも、何かとかなり問題になってるわよね」
「その上に、デジタル化をさらに進めると、どうなると思う?」
「学校でも画面を見続ける事になれば、先生や親は不安になるわね」
「宿題を家でやるなんてなったらどうなる?」
「あら、そうよね。デジタル機器を家に持ち帰る?」
「そうなったら、一日中画面とにらめっこだ、想像しただけでもゾッとするね」
「もう、どうかなりそうよね」
「確かにデジタルは、活用次第ではとても良い教材かも知れないけどね」
「別な心配事がある?」
「さっきのスクラップの所でも話したけど、かなり重大な心配事だね」
「重大な心配事?」
「教科書や本や新聞や雑誌などを、熟読する事で得られるものって何がある?」
「さっきの新聞のスクラップの所で出た、思考力、読解力の事よね?」
「そうなんだよね、思考力、読解力、つまり深く考える事って凄く重要だよね」
「特に柔軟で吸収力に長けてる子供には、欠かせない事だと思う」
「集中力が欠けると、少なからず、全てに曖昧な思考しか残らない危険性がある」
「うんうん、そうかも」
「デジタル化は、悪いとは言わないが、肝心なそのプロセスが抜け落ちてる」
「……」
「読んだり、書いたり、考えるという、言わば言語の活動には」
「……」
「紙に印刷された文章と向き合う機会がないと、絶対にダメだと思うんだよね」
「そうね」
「今の所、デジタル化の利点が鮮明で無いと言うか、判然としない中で」
「……」
「もしも紙の撤廃を考えてるとしたら、本末転倒も甚だしいと言わざるを得ない」
「……」
「デジタル化の前に、その効果や影響について、ちゃんと検証する必要があるよね」
「そうだわね。補完的にデジタルを利用すればいいのよね」
「そう思う。あくまで補完的に活用すべきだよね」
「先行してる外国があれば、その例等も調べる必要があるような気がするわね」
「教育分野では、デジタル化ありきで、全てを解決する手法は絶対に禍根を残す」
「効率化は必要と思うけど、優先順位を誤ったらダメってことね」
「そうだね。デジタルは便利な道具の域を超えてはならないと思う」
「子供の将来に関わる重大な問題だと言いたい訳ね」
「悪い癖だと言われるかもしれないけど、こんな想像もしてしまうんだよね」
「どんな想像?」
「全国の学校が他国からのサイバー攻撃を受けて、恐ろしく甚大な影響が生じる」
「まあ、怖い。でも、あり得ることだわね。……うん、……絶対あり得る」
「だって、事実はともかく、何処かの国の選挙でも、どうのこうのとかね」
「話題になったわね。今やサイバー攻撃は、日常茶飯事と言っても良いわよね」
「デジタルの世界は、そういう危険性を常に抱えている事を、考えておくべきだね」
「そう言えば、デジタルって国境なき世界よね」
「デジタル技術さえあれば、ターゲットを思うように操れる現実を知るべきだね」
「やっぱり、教育現場は、アナログの方が良いのかしら」
「いや、デジタル化は今や世界の潮流だから、その波に乗るのは良いけど」
「ええ」
「その辺の事をしっかり認識して、万全の対策と運用が絶対に必要だと言いたいね」
「そうね」
「日本の次代を担う子供の教育については、禍根を残さない為にも」
「ええ」
「100年先を見据えて」
「……」
「あらゆる角度から慎重に調査・議論して、方向性を探るべきだと思う」
「同感です」
「これは飛躍し過ぎかも知れないけど」
「また何か心配事?」
「教育問題を誤ると、将来、日本は世界の頭脳戦争に負ける事になって」
「……」
「何もかも頭脳支配されてしまう危険性があると思う。ちと、考え過ぎかな?」
「いえ、あり得ない事ないと思うわ。考えようによっては、とても怖い話ね」
「だね、もう既にその兆候が、始まってるような気がしないでもないけどね」
「まあ、怖い。武器による戦争よりも、はるかに怖い話ね」
「そうならないように祈るばかりだね」
「これからの子供達って、ある意味大変ね」
▼ 絶対に失いたくない教える立場の品格 ▼
(教育の持つ側面を重視せよ)
「それと、今問題になってる教員の質の問題もあるよね」
「そそ、教える立場の品格についても、同じような視点が必要よね」
「その原因が、もしも過去の教育の問題だとしたら、重大な責任問題だね」
「教育の問題って、とても奥が深いし、最優先で考える事だと言いたい?」
「率直に言って、そう思う」
「なになに、深刻な顔になったわ、どうしたの?」
「あのね?何処かの国の学校の教科書に、何処かの国の事を『悪い国なんだ』と」
「うんうん分った。小さい頃から、これでもかこれでもかと徹底的に教え込む」
「そう、日々の授業に用いられる教科書に書いてあるから、否応なしだね」
「善悪の判断が乏しい子供たちは、教育によって、次第に洗脳されていってしまう」
「それは、政治家の、教育という名を借りた一種の策略の何物でもない」
「考えたらゾッとする恐ろしさよね」
「その子達が大人になり、場合によっては、政治家になった時の事を考えると」
「思想的に危ない事態も起こり得る?」
「100%そうだとは言わないけど、教育はそういう側面を持ち合わしている事を」
「肝に銘じておく必要があると言いたいのね?」
「歴史は必ず繰り返されるからね。余程注意しておかないといけないと思う」
「同感です」
「話が横道にそれた感じがするけど、どうしても話しておきたかった」
▼ 新聞の人生相談欄に救われた夫婦の例 ▼
(プッシュ型情報を上手に活用せよ)
「新聞は地方紙?全国紙?どっちが良いの?」
「出来れば両方購読すれば良いけど、どっちかと問われれば全国紙がお勧めだね」
「どうして?地元の情報が大事なような気がするけど」
「地元の情報は、それこそネットで見れるが、全国紙は広範囲の情報が得られる」
「あ、なるほど。どうせなら、グローバルな記事が何かと役に立ちそうね」
「そのようだね。偏った知識は良くない、痴呆紙になってしまう」
「フフ、上手いこと言うわね。ありがとう!良く分りました」
「友達とか知人にも、今日話した事を話した方が良いと思うよ」
「そうします。ありがとう」
「最近の事だけど、知人から新聞に関することで面白い話を聞いたんだ」
「へえ~、どんな事?」
「家庭内でその日の記事を見てる訳だから、例えば奥さんもね?」
「奥さん?」
「そこが面白い所なんだけど」
「うん」
「知人は毎朝人生相談欄を見ていて『世の中色々な事があるんだなあ』と苦笑い」
「うんうん、で?」
「一方で、夫婦の問題で、気がかりな事があったんだけど」
「夫婦の問題で気がかりな事?」
「奥さんにどうしても話さなければいけない、と思っていた事があったんだけど」
「うん、ご主人の一種の悩みかな?」
「うん、だけど、面と向かっては、どうしても話せなかったんだって」
「私は未婚だから分らないけど、夫婦ってそんなもんじゃない?」
「ところがある日新聞の人生相談欄に、知人の悩んでいるそのものずばりの事が」
「やった!載っていたんだ!」
「相談内容もそうだけど、回答が期待したそのものずばりだった」
「あら、思ってた通りの回答が載っていたの?」
「そうなんだよ。しめたと思って、ニンマリして期待が膨らんだ」
「その記事を奥さんに見せた?」
「いや、それが出来るくらいなら、とうに直接話してるさ」
「フフ、何気ない素振りで、新聞をいつもの所に置いた?」
「奥さんが読んでくれることを期待してね」
「奥さん読んだのかしら」
「知人の話では、奥さん読んだという、確信した事があったらしい」
「へえ~、そうなの?……で、どうなったの?」
「後は話すまでもないよ。そこは夫婦だね。何事もなかったように無事解決」
「あら、良かったわね」
「夫婦って空気みたいなもんだからね。だからと言って、会話がないとね」
「家庭内別居とか、会話レスの夫婦とかの話良く聞くわよね」
「結構多いみたいだよ」
「知人も言ってたけど、新聞読んでると、その辺の話が良く載ってるみたいだね」
「へえ~、そうなんだ。それにしても、新聞記事って凄い力があるのね」
「情報のプッシュ型の勝利かもね」
「プッシュ型の勝利?どういうこと?」
「情報には、プッシュ型とプル型があるの知ってるよね?」
「知らないわ、教えて!」
「プッシュ型は、使う人が何もしなくても勝手に情報が送られてくる」
「あ、はい。テレビとかラジオとか、あ、そうか新聞もよね?」
「そうだね、一方プル型と言うのは」
「うん」
「使う人からのアクションがないと、情報を得ることが出来ない」
「検索しないと、情報が得られない?」
「そう、君の好きなスマホから検索するとかね」
「なるほど、なるほど。良く分りました」
「どちらも利点があるから、上手に活用することだよね」
「今の話聞いて、益々新聞の威力を思い知らされたわ」
「知人はこんな事言ってたぜ」
「ええ」
「『一日100円強で読める新聞は人生の宝物だ!読まないなんて馬鹿だ!』って」
「うんうん、言えてるかも。いい勉強したなあ今日は!」
「そう?……良かった!」
「ところで、旦那さんの悩みって何だったの?セックスレス?お金の無駄遣い?」
「あはは、そんな事を他人に言うと思う?」
「あ、そうよね。フフ、……女って駄目ねぇ~」
「いや、俺も余程聞こうと思ったんだけど、やっぱね、止めた」
「夫婦の問題に切り込むのは野暮よね」
「だね」
「デモ ヤッパリ シリタイナア キニナルナ~!」
▼ 長く記憶に留めておく為の新聞の知恵 ▼
(世の中には忘れ難い出来事がある)
「ここ迄は新聞の事について、割合良い事ばかりを語ってきたような気がするけど」
「あら、まだ何か言い足りない事でもあるの?それとも提案とか?」
「うん、今のところ、一つだけこうして欲しいけどなあと思ってる事、提案だね」
「世の中の為になるんだったら、ついでだから言ったら?」
「世の中の為になるかどうかは分らないけど」
「何でも良いわよ、前向きな提案だったら喜んで許可します」
「あは、ありがとう!……それでは、お言葉に甘えまして申し上げたいと思います」
「どうぞどうぞ、思う存分に語ってください」
「最近のニュースってどう思う」
「どう思うって、どういう事かしら」
「例えば重大な事件とか出来事とかが、今日起きたとして」
「ええ」
「身近な事だったらともかく、一般的には何日くらい記憶に残ってる?」
「あら、その事だったら、さっきさんざん語った事じゃない?」
「うん、そうなんだけど、これから話す事と関連あるから、改めて聞いたんだけど」
「そうなんだ、でも、同じ答えになってしまうわよ」
「うん『あっという間記憶の彼方に消えてしまう』って事だったよね」
「そう、その事が提案と何か関係してくるの?」
「種々雑多なニュースがある中で、長く記憶に留めておきたいニュースってある?」
「嬉しいニュースとか、夢一杯のニュースとか、そんなニュースが良いわね」
「例えば災害などの、決して忘れてはいけない出来事とかもだよね」
「うんうん、同感です!」
「でも、やはり、あっという間に記憶から消えてしまう。どうしたら良いと思う?」
「どうしたら?そんな世の中になってしまったんだから、仕方無いんじゃない?」
「何だか投げやり的だね。確かに仕方ない面があるかもしれないけどねえ~」
「ご不満のようですね」
「それで良いのかなあと思ってさ。特に嬉しい夢一杯のニュースは一日でも長くね」
「記憶に留めておけるような、知恵と工夫は無いのかって言いたいのね」
「そうなんだよ。そうは思わない?……何か無い?」
「自分で提案があるくせに、何で私に振るのよ!早くおっしゃいよ」
「いつも良いアイディアを出してくれる君の事だから、何かあるかなと思って」
「ありません!私のアイディアは枯渇してしまいました」
「了解!あのさ、年末になると、その年の10大ニュースが掲載されるよね」
「そうね、通常は国内と全世界の10大ニュースよね」
「各メディアによって、取り上げ方には若干の相違があるようだけど」
「あ、そうか、それすらも、3日もしたら忘れられると言いたいの?」
「いや、そういう事じゃないんだよ。ヒントとして考えて欲しかっただけ」
「ヒント?何よ!」
「良く考えてご覧よ『そう言えば、こんな事件もあったなあ』と、……無い?」
「あるある。ついこの前の事だったのに、すっかり忘れてたニュースを思い出す」
「それがヒント」
「また?…ヒント?ヒントって、何よ!回りくどい言い方して!」
「また怒られた、早く言えってか?」
「そうよっ!」
「今月の大ニュースにしたらどうかと思って。ミレニアムニュースとか題して」
「あら『今年』のじゃなくて、『今月』の大ニュース?面白そうね」
「嬉しいとか夢一杯のニュースに限定して、3~5大ニュースとして毎月掲載する」
「良いわねえ~。写真と記事を目立つ所に枠付きで?」
「そう、しかも、選ばれたニュースを、12カ月間継続して掲載し続ける」
「ランキングは購読者の投票で?」
「それが一番良いと思うけど、出来なければ新聞社独自の判断でもいいと思う」
「あ、もしかして、これが提案の味噌?」
「ハイ、新脳味噌と言います。そしたら忘れがたい記憶として残る。どうかなあ?」
「という事は、12月になったら、紙面一杯に各月のミレニアムニュースが見れる?」
「そういう事だよね。紙面一杯に嬉しい夢一杯のニュースだらけになる」
「各月のミレニアムニュースが、12回連続して掲載される訳よね」
「さすがに永久という訳にはいかないから、順次新しいのに切り替わっていく」
「それでも、1年間も連続して、幸せを呼ぶ記事が、紙面一杯に掲載される!」
「どうかなあ?良いと思わない?今のところ何処もやってないような気がするけど」
「良いわねえ~。素晴らしいアイディアだわ!みんな喜ぶんじゃないかしらね」
「この考えは、特に新聞の特徴が出せるから、新聞向けのアイディアだね」
「これもスクラップする?」
「あはは、こんな目出度いニュースは取って置かなくっちゃね」
「何年か後に読み返してみて、何だか幸せな気分にしてくれるかもしれないわね」
「そんな気がするね」
「新聞の新しい役割が生まれたみたいね」
「辛く悲しいニュースも大事だけど、いつまでも記憶して置きたい出来事はね」
「今のご時世では、滅多にない事だから尚更貴重なニュースになるわね」
「こんな言い方をするっていうのは、生意気と言われそうで何だけど」
「世の為になるんだったら、この際何でも言っても良いんじゃない?」
「未来に向かって新しい視点から物事を見詰め直し」
「……」
「更なる社会的貢献と役割を担い、新聞の存在価値を高めて行って欲しいなあ」
「それだったら私も同感ね。読む度にみんなが幸せになる新聞の登場!?……ん?」
「どんな花でも、いつまでも咲き続けることは出来ないよね」
「あら、今度は花の話題?」
「でも、散ってしまっても、翌年にまたちゃんと蘇ってくれる花もあるからね」
「『花の命は短くて 忘れる事のみ多かりき』……アレッ!」
「花をニュースに置き換えろってか?」
「そう、ニュースという名の美しい花を、いつまでも眺めていたい」
「それには、そうなる為の栄養剤を与えてやらないといけないよね」
「栄養剤?もしかしてスクラップ?」
「それも一つの方法だと思う」
「何よ!私の顔をじっと見つめて、顔に何か付いてる?」
「いや、何でもない。…美しいなあ。……幸せになって欲しいと思って」
「またまた、泣かせるような事を言って!」
「君がいつまでも美しくいられる栄養剤があるんだけど、……欲しい?」
「私への栄養剤?そんなのアリ?……欲しい、……絶対欲しい」
「確か何処だったっけ?何処かの花屋に売ってた筈だけどなあ」
「……花屋?……な~んだ、期待外れか」
「期待外れ?何を期待した訳?」
「フフ、それを私に言わせたい訳?……ヒ・ミ・ツ……」
「今、美しい花でも、……おっと、これを言ったら………」
「アラ モシカシテ オンナノイノチモ ト イイタゲネ アア-」