語らいの中に輝かしい未来の光を垣間見る時があります
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◆ 発見!スマホの新しい価値



「今回のテーマは、歩きスマホのことです」
「あ、多いわねえ。歩きスマホ」
「歩道のあるなしに関わらず、スマホを見ながら歩いていたり」
「横断歩道では特に良く見かけるわね」


歩きスマホは視線遮断の効果あり

「『歩きスマホは、とても危険だから止めましょう』と言われて久しいね」
「人とぶつかったり、自転車とぶつかったりの程度なら、まだ良いとも言えるけど」
「車と接触したら命の問題になるから、とても危険だよな。絶対止めるべきだね」
「同感です」
「スマホって歩きながらでも見たくなるような、夢中にさせる何かがあるんだ」
「フフ、ある人もいるかもしれないけど、大半はただ機種を見てるだけかも」
「えっ、どういう事だよ」
「私もやってみたけど、結構いいわよ」
「結構いいわよって、危険を承知で?意味が分らない」
「さっきの待ち合わせの話と同じよ」
「お、人の視線を遮る?」
「横断歩道を渡る時って、目のやり場に困る事ってあるのよね。特に女性は」
「あ、なるほど、止まってる車からジロジロ見られてしまう」
「そう、スマホがない時は、目のやり場に困る位に、強い視線を感じたのよね」
「君の場合、特にスタイルが良いし、とても美しいから多くの眼差しが集中する」
「ありがとう。今までそんなに褒められた事って無いから嬉しいわ」
「事実をありのままに申しあげるのが、吾輩のモットーでございます」
「お世辞と分ってても、褒められると嬉しいものなのね。初めての経験だわ」
「ご謙遜でしょ?そこがまた魅力なのであります」
「ま、それは置いといて」
「ん?」
「だから、スマホを見てる振りをして、その視線を避ける。便利よね」
「なるほど、夏の紫外線除けって言うのは分るけど、なるほどねえ、視線除け」
「だから、スマホでニュースを見たり、画像を見たりしてる訳ではないのよ」
「なるほどねえ~、驚いたね」
「それと、スマホって暇潰しにはもってこいよね」
「さっきの待ち合わせの場合とかも?」
「そそ、ボケーっと待ってるより、見た目にも様になってるしね」
「なるほど、スマホって、視線遮断と暇潰しの為に開発されたんだ」
「アハ、な訳ないでしょ?副産物ってとこよね。新しい価値かも」
「ふ~ん、新しい価値ねえ」
「勿論、実際にニュースなどを見てる人もいるかもしれないけど、殆どはね」
「へえ~、それだけの為に、毎月高い金を支払ってるんだ」
「バカねえ~、そんな訳ないでしょ?……いや、もしかしたらいるかも」
「それは良いとして、危険と背中合わせの行為だから、TPOをわきまえるべきだね」
「それは、絶対そう思います」

スマホは黄門様の印籠?!

「そっかー、そう言われれば、視線除けにはもってこいの道具だね」
「やってみたら?」
「いや、俺はガラケーだから資格なし」
「ガラケーでも同じよ、横断歩道を渡り切る迄の間、ただ見てる振りをするだけ」
「すると『あいつ、まだガラケーかよ』と聞こえてきそうだな」
「そんなの平気なんでしょ?」
「モチ平気平気、見てる奴に高く掲げて見せてやる。そして言ってやる」
「なんて?」
「『皆の者控えおろー、これが目に入らぬか、このガラケーを何と心得る』ってね」
「まあ、黄門様?印籠の拡大画像だ!みんな車から出て『ハッハー』とひれ伏す?」
「それがダメなら、こうも言ってやる」
「……」
「『悔しかったら、ガラケーにして見ろ、出来ないだろ?バカヤロー』ってね」
「あのー、いくらなんでも『バカヤロー』は無いでしょう?」
「ですね。言い換えます『アホー』」
「ヤダ、言うんじゃなかった」
「いやいや、こんなもんじゃ治まらない。とどめを刺してやる」
「もう良いから止めてっ!」
「『スマホにうつつを抜かしてると、ロクな人生しか送れないぞ』てね」
「あら、何てことを、とうとう言ってはいけなことを……、でも言えてるかも」
「ああ、スカッとした」
「フフ、コノヒト、ホントニヤリカネナイ」





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