語らいの中に輝かしい未来の光を垣間見る時があります
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◆ 夢のしっぽにぶら下がって旅を…


「俺さ 夢のしっぽにぶら下がりながら 旅をしてきたんだ」
「エッ 夢のしっぽ? 何だよそれ えっ で どうだったの?」

「途中で振り落とされてしまった」
「エエッ どうしてよ」
「夢が言うにはな」
「うん」
「利己的で強欲な奴に夢なんか実現できないんだよ だって」
「アハッ 言えてる 君は利己的だし強欲の塊みたいな奴だからなあ」
「それで じゃあ どういう人間ならいいのか尋ねてみたら」
「うん うん」
「それくらいのこと自分で考えろ このボケ だって」
「その瞬間に振り落とされたって訳か」
「うん 尻尾が激しく揺れて しがみついたけど ダメだった」
「なるほどなあ で 振り落とされて怪我しなかったのか?」
「痛いの何のって 死ぬかと思ったよ」
「そっか― 夢って非情だなあ」
「だな ……そこで俺は目が覚めた」
「オオー 夢のお蔭でやっと反省する気になったんだ」
「…… ……」
「今までの事を悔い改めて 本気でまともな人間になろうと?」
「違う ……違うんだよ そういうことじゃないよ」
「ナヌッ オイオイ じゃあ 今までの話 夢で見た話だったのか?」
「………ウン」
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