「それは断然スマホよね。あなたは?」
「パソコンとガラケー」
「あ、そうなんだ」
メディアは賢く活用するに限る
「じゃ、メディア媒体は?」
「ブログ、SNS、YouTubeなどのソーシャルメディア。あなたは?」
「インターネットに代表されるネットワークメディア」
「ふ~ん、そうなんだ」
「ブログとかで何か発信してる?」
「いえ、もっぱら見るだけオンリーの利用者ね」
「じゃ、SNS、YouTubeもそうなの?」
「そうよ、発信の仕方がいまいち疎いのであります」
「興味ないの?」
「ない事はないけど、必要性を感じない。あなたは何か発信してる?」
「もっぱらブログとツイッターに投稿してる」
「へえ~、だから、パソコンの方が便利だと言うわけね」
「断然そう言い切れるね。スマホで出来る事は、パソコンでほぼ全て出来るからね」
「なるほど」
「スマホは画面が小さく使いづらいけど、パソコンなら画面も大きく使い易い」
「でも、スマホみたいに、いつでも持ち歩く事は出来ないわよね」
「ノートパソコンだと持ち歩けるけど、仕事上も必要ないし、問題なしだね」
「さっき、ガラケーだと言ったけど、スマホは持つ気はないの?」
「ない。全く必要性を感じない。ガラケーで充分用は足せる」
「でも、近々どのメーカーも、ガラケーの販売を中止するって聞いたけど」
「そうみたいだね、その時はその時の事よ。その時に考えれば良い事だよさ」
「徹底してるのね」
「俺は『人様がやってるから自分も』とか一切考えない性格。自分は自分だから」
「持ってない引け目はない?」
「あはは、何でそんな風に考えるの?バカバカしい。ナンセンスもいいとこだね」
「あら、それって言い過ぎじゃない?」
「いや、そうは思わない。自分の人生は自分が決める。他人様に左右されたくない」
「そうよねえ、本当はそうありたいのよねえ。でも何故か出来ない」
「スマホがないからって、生活出来ない訳じゃあるまいし、どうかしてるよ」
「まあ、ひどい言い方」
「勿論人それぞれだから、俺がとやかく言うべきではないけど、言いたくもなる」
「よほど癇に障ることでもあったみたい」
「それはない。ないけど良く考えてご覧、それだけの価値がある?と言いたいだけ」
「そうよねえ、費用も馬鹿にならないし、考えさせられるわねえ~」
スマホの価値はフィットしてる?
「君が考えてるスマホの良いところって何?番号をつけて箇条書きにしてみて」
「そうねえ、思いつくままに言うわね
- 電話やメールのチェック。
- 文書の作成・閲覧等仕事のツールに必要。
- 職場の人や友人との連絡・交流にとても便利。
- 外出先でも連絡を容易にとる事が出来る。
- 調べ物をする時とても便利。
- 仕事で使う場合役に立つ。
- お子様のいる親にとっては、子どもの現在地等を知る為に必要なツール。
- 同様に、離れて暮らす子や孫と画面越しにテレビ電話等で会話を楽しめる。
- 親の介護や看取りで、病院などの連絡や医師との約束などのスケジュール管理。
他にもあると思うけど、今は思いつかない。ざっとこんな事かしらね」
「短い時間に良くまとめられたね、さすが。この中で何が一番利用価値がある?」
「利用価値?私にとって?」
「うん、絶対に必要で外せないもの、代替えの利かないもの」
「う~ん、そうねえ、項目ごとに考えてみるわね
- 1.は、敢えてスマホじゃなくても出来る事よね。
- 2.は、これも同様ね。
- 3.は、これも同様ね。
- 4.は、ガラケーでも出来る。
- 5.は、調べ物も緊急性の問題よね。
- 6.は、確かに言えるけど、私の場合は仕事で使う事ないわね。
- 7.は、良さそうだけど、今の自分には関係ない事よね。
- 8.は、恋人と会話を楽しめるかもしれないけど、これも敢えてなくても良い。
- 9.は、ガラケーでも出来る事よね。スケジュール管理なんてメモ書きで充分。
あらまあ、何て事なの。改めて考えると必要ないって事よね、スマホなんて」
「君にとって全くとは言わないが、少なくとも今の時点では利用価値はないと?」
「そのようね、じゃ何で持ってるの?スマホ」
「もしかしたら、そういう人が五万といるんじゃないかなあ」
「……」
「誰かと待ち合わせする時って、スマホでゲームしてる?」
「ゲームはしないわ。何となくニュースを見たりしてるわね。見たくもないのにね」
「ただ漫然と待ってるより、スマホを見てると、人の視線が気にならない?かな」
「そそ、それは絶対にある。ハハ、人の視線防止用、ただそれだけのスマホ?」
「さほど価値のないものに、多額の金を毎月払い続ける。俺には理解できない」
「……」
「そんな金があるんだったら、美味しいランチでも食べたほうがよっぽど幸せだぜ」
「フフ、そうかも」
「勿論、人それぞれだから、大いに利用価値を見出している人も多いと思うけどね」
「そうね」
「それはそれで、便利なツールとして、大いに活用すればいい事だけど」
「無意味に単に時代遅れになるとか見栄とか、恰好悪いとかで持つべきではない?」
「言いたかったのはそれそれ。『人生の価値についてもっと真剣に考えようぜ』と」
「……」
「関連企業にだけ儲けさせてる場合じゃないでしょ?もっと自分を見詰めようぜ」
「って言いたい訳ね。言えてるかも。貴重な考えかも」
「アンドロイドとかアイフォーンの経営上の戦略に踊らされていると思わない?」
「確かにそういう面はあるような気がする。敢えて必要でもない人でも利用する」
「例えば、家族との連絡さえ出来れば良いと考えている高齢者に対して」
「余計な機能が多過ぎて、その機能の分まで料金を払わされてしまっていると?」
「と思うんだよな。人に対して、もっと優しくあるべきだと思わない?」
「思う」
「ガラケーを廃止るるのは、色々な事情があっての事だろうから、一応分るとして」
「……」
「それならそれで、そのような配慮も必要だと思うけどなあ。間違ってる?」
「そんなことない、そうあるべきだと思う。ニコニコした優しさが欲しいわね」
「だね」
「システムそのものは、今までに無い恐ろしい程斬新で、未来を感じさせるけど」
「生活する上で、万人が求めてる訳でもないのよね」
「高齢者や貧困層も含めて、やっとの思いで生きている人にこそ必要なのに」
「開発者にその意識が希薄だと言いたいの?」
「凄い発明だし、その対価として企業が利益を得る事に対しては理解するけど」
「大きな影響力を持つ価値ある物なら、社会に対するある種の責任が求められる?」
「そういう事だね。声を大にして叫びたいね」
「今のままの考えでは、いずれおかしくなる?」
「それは無いかも知れないが、人の心に重大な変化が起る時が必ず来る予感はする」
「うん、考えられるわね。だから、今のうちに対処しておく必要がある」
身を滅ぼす!絶対になるなソーシャルメディア依存症
「ソーシャルメディアは、生活上利用する単なるツールであって」
「うん」
「決して、日々の生活を支配されてはならないと思うんだ」
「ん?日々の生活を支配?どういうこと?」
「例えばスマホはソーシャルメディアを表示する機器だよね」
「ええ」
「朝起きて夜寝る迄、常に手に持っていなければ気のすまなくなった人がいるよね」
「いるいる」
「こうなると、一種の麻薬中毒患者とかギャンブル依存症と同じだね」
「スマホ依存症?SNS依存症?……病気?」
「他にもあるよ。TwitterやInstagramそれに動画メディアもそうだよね」
「うんうん、あるある。スマホさえあれば、これら全ての閲覧が可能よね」
「もう、どうあがいても、なかなか抜け出せない。誠に厄介な事になる」
「なるほど、日々の生活を支配されてる状態だわね。分かる分かる」
「特にスマホの長時間利用は、かなり重症になる危険性を秘めてるから怖いよね」
「そうなると、どんな症状と言うか、どんな状態になるのかしら」
「考えられる幾つか列挙してみると
- 脳の働きが低下し、日常生活に欠かせない思考力、洞察力などが低下する。
これはとても大事な事で、そうなると次のような事が懸念される。
・咄嗟の判断が出来なくなる。その為、物事に対して迅速な対応が鈍る。
・例えば上司からの単純な指示が理解出来なくなる。
・読める漢字が少なくなる。
・簡単な計算を解くのに時間が掛ってしまう。 - 思考力や洞察力などが低下すると、当然集中力もかなり低下する。
- IQが低下する
- 心の病や睡眠不足を作り出してしまい、健康に大きな影響が出る
- 自己中に陥りやすい為、突然キレてしまったり、嫌な事からすぐ逃げてしまう。
- 人との意思疎通に支障が出る。その為に人との会話が成り立たなくなる。
他にもあると思うけど、主には、ざっとこんなものかな」
「将来の事を考えると、何だか怖い感じがしてきた」
「いや、実際に、後々後悔する事もあり得る、と思っていた方が良いかもね」
「思うんだけど、机の上に置いただけで、着信音が気になって仕方がないのよね」
「それはもう、依存症の一歩手前かもね」
「嫌だ!脅さないでよ」
「自分が知らず知らずの間に、そういう具合になってることを意識してる人は」
「意外と少ない?あら、ほんと、やだわ~。どうすれば良いのかしら」
「簡単さ、スマホ馬鹿、SNSバカにならなければ良いのだから」
「理屈は分るけど、実際にどうすれば良いかを、お聞きしてるんですけど」
「依存症にならないように、自己管理するしか方法はないと思うけど」
「そうよねえ~」
「身を焦がすほどの恋はあっても良いけど」
「あら、良いフレーズだこと、フフ、そんな恋をしてみたいわ~」
「スマホで身を焦がして、病気にでもなったら、目も当てられないぜ」
「医者に『あなたはスマホ身焦がし病です。長期入院加療が必要です』と?」
「特に大声を上げて叫びたい事があるんだよね」
「えっ、どんなこと?」
「幼児には、絶対にスマホやタブレットを与えてはいけない、という事」
「うんうん、……うんうん、ほんとだわね、世の全ての親御さんに言いたい?」
「うん、だね。与えたら、後々絶対に後悔する事態になる、と肝に銘ずべきだね」
「大人は良いの?」
「勿論良くないよさ、過剰はね。でも、そう言ったって聞く耳と理解力ある?」
「時既に遅し?」
「そうじゃないさ、上手く活用する事を念頭にして、決してかぶれるなという事さ」
「なるほど」
「ソーシャルメディア表示機器、ここでは特にスマホの事だけど」
「はい」
「スマホ依存症になって、もしも、知らず知らず自分を見失ってるとしたら?」
「う~ん、あるかも。そうよ、ありそうな事だわね、きっと。恐ろしい事よね」
「スマホに翻弄される人生なんて考え問題だね。ったく。私は嫌でございます」
「はいはい良く分りました。なんならこの際だから、もっと愚痴っても良いわよ」
「あはは、ゴメン。俺って悪い癖だねえ~、屁理屈根性丸出しだね」
「でも、誰が考えても正論には違いないわよ。心の底からそう思います」