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早川悟の弟の登場で物語は新たな展開を見せる。
業績低迷に悩む企業の再生に向け、
早川の緻密な行動が劇的な変化をもたらした。
役員間のいざこざや後継者問題
揺れる会社の未来は閉ざされてしまうのか。
早川はどう対処していくのか。
国際設計コンペの成果や如何に。
中年男女の再婚の切なる願いは叶うのか。

主人公早川悟の圧倒的な行動力と知識力、
さらには仕事愛、家族愛、兄弟愛、
そして広く深い人間愛に対する思いが、
大きなエネルギーとなって周囲に影響を与え、
劇的な波紋の広がりをみせていく。
この物語は正義感に満ちた一人の男の物語です。

水島佐太郎は十五年前、高校を卒業する時に、事業の後を継ぐことを望んだ親父との間で猛烈な言い合いをした。佐太郎は激しく反発した。
それから十五年が経ったある日曜日の午後、再びその件が持ち上がった。
はっきり言う。俺の後を継いでくれ。頼む！
佐太郎は、父良助の思い詰めたような熱い眼差しを肌で強く感じた。折しも台風により、父の運営していた漁場が壊滅的な被害を受けた。屈強な父の打ちひしがれた姿を目にして、佐太郎の思いが徐々に変化していく。
そして、長年勤務していた会社を退社することになる。
退社の日畑違いの仕事への挑戦を決意した佐太郎のとった行動が、策略士と評判の勤務先社長の心を大きく動かすことになる。

はたして結末は……。

会社の歯車となり、しゃにむに働いてきたのは、一体なんだったのか。明日を夢見て、この会社と己の運命を共にしようという、あの情熱は夢と消えてしまうのか。

これから先、どうやって家族を養っていけば良いのだ。住宅ローンはどうやって返済していけば良いのだ。

その様な状況下、ある一人の社員が思うことがあって、一年ほど前から、会社に対しある提案を申し入れる事を目論み、その機会をうかがっていた。

大会社の中枢部への挑戦を決意した、一社員のとった行動が意外な展開を生む。

果たして、目論み通りに事は運ぶのか…………。

あらすじ と 創作動機
東京での退職騒動にピリオドが打たれ、郷里のＭ市で設計事務所を開業した岡村彰布は、ある酒宴の席で、気になる会話を耳にします。その会話の端々から、業界を揺るがす、許すべからざる事案が、闇の中で深く静かに進行していることを察知します。
正義感に燃える岡村は、事案の解決に向けて、猛烈な調査を開始しました。
岡村は、本来の業務のほかに、若者の教育に、ことのほか情熱を燃やし、若者との交流を人一倍大切にしていました。事案に関する銀行筋の調査と、岡村と、下請業者、それに若者たちとがタッグを組んで、秘密裏に行われた独自の調査が、事案の赤裸々な実態を、次第に明らかにしていきます。
元請の管理職の立場を悪用して、下請けに法外な要求を突きつけ、私腹を肥やしていく、悪徳野郎との壮絶な戦いが繰り広げられます。
地方都市のトップ企業を舞台にした、極悪で巧妙な手口が明らかになるにつれ、銀行筋からの要請を受けた代表者の、苦渋に満ちた決断が、事案の急展開を生みます。
この物語は、現実にありがちな出来事を、若者達の成長と活躍を基軸に、事案を解決していく、痛快な物語でもあります。
最後に付け加えてぉきます。この物語は、知人の周辺で起きた実話をヒントに創作されています。
絶対にあってはならないことが、法の裏側で、平然と行われている業界の一面を描いています。
小説は奇なりとか申しますが、小説では描ききれないような、現実世界で起こる、驚くべき出来事をフィクションしています。