何処からともなく聞こえてくる、囁くような声をあなたに!

木枯らしの吹く前に

◇ 第1話 共感

短い秋が去り、もう冬の気配がすぐそこにあります。 あなたと初めてお話できたのは、夏の終わりかけの頃でしたね。ヒマワリの花が、日の光をいっぱいに浴びて、風に揺ら揺らとなびいているのが印象的でした。そんなとても眩しい日でした。あなたと初めてお会いしたのは。

◇ 第2話 生きてる心地

残された人生に於いて、どんなにもがいても自分の思いを成し遂げられない多くの人々と同じように、そうは思いたくなくても、私もその一人かもしれない訳です。 でも、何かの弾みで、たとえ短い時間であろうと、幸せな自分が居ることを感じた時、生きてる心地良さをも感じるものです。あなたは私をして、そんな感じにさせてくれました。

◇ 第3話 躊躇という理性

あなたのやさしさや気遣いやしぐさが、時に私を苦しめる時があります。多分それは、未だあなたの気持ちを共有できてないからだと思います。あなたを深く理解したいと思う気持ちと裏腹に、ぎりぎりのところで抑制された自分のあなたに対する思いが、もしも解き放たれたときの怖さを思うときに、躊躇という理性によって、やっとの思いで踏みとどまっている自分がいます。
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