作家 川北町二 魅惑の世界

◇ 人の美について

(親愛なるあなたへ!)

随分とご無沙汰のような気がします。お元気ですか?
今日は人の美についてウンチクを述べてみたいと思います。例の如くご意見をお待ちしています。

人間は美しいものに感動し、憧れ、できれば手に入れたいと思っています。では「美」とはいったい何なのでしょうか?この点について私の独断と偏見で考えてみたいと思います。(笑)ですが、「美」そのものについて語るには、テーマが大きすぎますので、ここでは、話を分かりやすくするために「人の美」に絞って考えてみたいと思います。他の美については別な機会に譲ることにします。

私は、人の美しさには二つあると思っています。ひとつは肉体的な美しさ、もうひとつは心の美しさです。
まず「肉体的美」について考えてみます。
よく「あの人は美しい」だとか、「美人だ」とか言います。この時の「美しい」は、顔立ちやスタイルの良さ、あるいは肌のみずみずしさなどを含めて、いわゆる外見上の美しさのことを言い表す言葉だと思います。
女性は誰しも、できれば美しく生まれたかったと思います。ですから、美しい人だと言われるととても嬉しいはずです。大金をはたいて両親から授かった顔を、整形してまで美しくありたいと思う、そのすざましいばかりの美しくなりたいという願望は、これから先も、女性にとっては、おそらく永遠に思い続けることなのでしょうね。特に若い女性にとってはそうだと思います。
男性にもてたいからなのでしょうか。それとも「美しいわね」と言われたいためでしょうか。そんな分かりきったこと言われたくない!ですって?(笑)

女性が美しくなりたいという願望を持つことに対して、決して否定するものではありませんが、少しばかり考えさせられることがあります。

肉体は加齢と共に衰えていきます。人間である以上、防ぎようもない、どうしようもない事実です。中高年になりますと、だんだん顔にシワができ、下腹に脂肪の塊ができる。肌に活力がなくなる。髪の毛が白くなる。あるいは髪の毛が薄くなる。めがねを掛けないと字が読めない。耳が遠くなる。いろいろありますね。(笑)
これは男性も女性も同じことです。男性の場合は、あまり気にしないことかもしれませんが、女性にとってはとても辛いことのひとつでしょう。せっせと高額な化粧品で必死になってなんとか誤魔化そう(?)としますが……。こんなことを言いますと怒られるかもしれませんが、所詮無駄な抵抗のようにも思えます。
しかし、どんなに年をとっても、それなりに自分を綺麗に、美しく見せたいという努力は、気持ちに張りを持たせる意味からも、大切なことだとは思います。女性の場合身だしなみ程度のお化粧は必要と思っています。

もう一つの「心の美」について考えてみます。

心が美しいとはどういうことを言うのでしょうか?思いやりがあることでしょうか?やさしいことでしょうか?純粋で嘘をつかないということでしょうか?人を決して裏切らないことでしょうか?お花を見て綺麗と感ずる心でしょうか?
いずれも正しいようで、そうでもないようで……。とても難しい事のように思います。いやむしろ、それが当たり前なのかもしれませんね。

人によって心の美は違う。そうとも言えます。常に揺れ動く心。掴まえ所のない心の正体。これもありますね。でも、一つだけ確かなことがあります。それは、心の美しさは加齢と共に衰えてはいかないということです。人によっては加齢と共に美しさが増していきます。50歳を過ぎてなお美しいのは、まさにこの心の美しさしかないように思います。
人間は暗黙のうちに肉体の衰えは誰しも認めることなのですが、女性にとっては絶対に認めたくない、いや、そうなりたくない訳ですので、話がややこしくなるわけですね。(笑)

肉体が衰えてしまうから、夫婦関係もあまり上手く行かない?違うと思いますね。心の美を忘れて、これにせっせと磨きをかけてこなかったツケが回ってきただけだと思います。
肉体的な美は、直接的にしかも瞬時に相手に訴える力があります。ところが心の美は簡単に理解して貰えないところがあります。長い時間かけてその人の心の美しさに触れ、お互いに共感出来て、初めて本物のお付き合いが出来るんだと思うのです。

ここで忘れてはいけないのが、お互いの価値観の問題です。
どんなに心の美しさがあっても、価値観に大きな隔たりがあっては、おそらく長いお付き合いは無理なような気がします。ことほどさように人のお付き合いは難しいものですね。

中高年の男性がほんとに求めているのは心の美しい女性であり、同じように、中高年の女性がほんとに求めているのは心の美しい男性ではないでしょうか。
人間は、心の美しさだけを見つめ相手に接することで、ほんとの意味の人間愛が生まれてくるような気がします。
いずれにしても、心にシワを作らず、心に活力を与え続けることが大切だと思います。そうすれば、たとえ50歳を過ぎても、若い人に負けないくらいの、いやむしろ、それ以上に、味のある素晴らしい恋の一つや二つは出来るのではないでしょうか。

美については、恐らく夜を徹しても語り尽くせない位のテーマだと思います。今日はたまたま人の美についてお話ししましたが、それすらも充分に語り尽くしたとは思えません。とても大事なテーマですので、もっと深く掘り下げてみたいのですが、またの機会にでも……。

ところで、今あなたにとって、かけがえのない人が身近にいますか?その人は美しいですか?


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