◇ 第7話 人生の価値観 次の瞬間、電流のようなものが私の身体を激しく揺さぶりました。「・・・・・・・・・・・ あっ!」 私は小さく叫び、とっさに視線をはるか彼方に移しました。しかしそこには、いつもと同じ山が横たわっているだけでした。 天使の翼をあなたに
◇ 第4話 私の指定席 こんなことがありました。 「山の女神」に向かって乾杯の仕草をしていた時のことです。ふとなにげなく、カウンター内の、いつもの女店員のほうを振り向きました。すると、多分偶然なのですが、私の目の延長線上で彼女の目線と正面衝突したのです。彼女はいつものにこやかな顔でこちらに会釈し、右手でカップを目の辺りまで持って、乾杯の仕草をしてくれたのです。私はうれしくなって、左側の出窓に向かっていた珈琲カップを、斜め右側の彼女のほうに向きを変え、高々と持ち上げました。 天使の翼をあなたに