◇ 女一人 幾つもの山を乗り越えて 幾つもの川を流されて とうとうここまで来てしまった 夜の侘しさ 朝の虚しさ 幾度となく巡り巡って日々が去り ひとときの 心の安らぎ求めんと 涙の数だけ 織りたたんだきた紙細工 ある老婦人の物語