少し古い話ですが、あるメールが飛び込んできました。建築相談です。
以下のような内容の相談でした。
あまり使っていない雑草地を埋め立てて家を建てたいが、注意することってありますか?ただそれだけのメールでした。それだけでは、的確なアドバイスは無理ですので、メールをやり取りしながらいろいろお聞きしました。
以下が大まかに分かったことです。
- 道路は南側にあり巾が6m程度
- 敷地は間口が12mで奥行きが15m程度
- 道路と雑草地とは60~70cmの段差がある。(雑草地のほうが低い)
- 雑草地を道路と平らになるまで埋め立てて、そこに平屋の家を建てる
私は次のようなアドバイスをしました。
- まず必ず地盤調査を行う。
- その結果によりますが、少なくとも60~70cmは建物が建つ部分は地盤改良をする。
- 最終的には地質調査により判断すること
暫くして、と言っても確か2ヶ月くらいは経過していたと記憶しています。以下のようなメールが来ました。
建築業者に先生にアドバイスされたように話をしたのですが、地元の業者で、この辺のことは昔から良く知ってるから心配ないですよ。平屋でもあるし任せてください、と言われ、少々気になりながらも、ま、専門家の言うことだからいいのかなと思ってしまいました。
アドバイス通りにすると費用も掛りそうだし……。業者さんのいいなりにお願いしてしまいました。
アドバイス通りにすると費用も掛りそうだし……。業者さんのいいなりにお願いしてしまいました。
アドバイスを聞かずごめんなさいという内容でした。
つまり、地盤調査もせずに、地盤改良もせずに建築してしまった訳です。
最終判断はもちろん相談者がされる訳ですので、私としては相当気にはなったのですが、これ以上は仕方のないことだと思いました。
相当気になった所というのは、地元の業者が、
「この辺のことは昔から良く知ってるから心配ないですよ。平屋でもあるし任せてください」
と言った例で問題の起きることが割合多いからです。
そんな事があって、その事をすっかり忘れていたある日、一通のメールが舞い込んできました。以下のようなことが書いてありました。
こんにちは〇〇です。随分久しぶりにメールします。その節はありがとうございました。今日は先生に懺悔の気持ちでメールしています。
私は馬鹿でした。
先生のアドバイスを無視した罰が下りました。
あれから我が家の建築も順調に進み、無事引っ越しも済んでかれこれ半年になります。
ところが梅雨が明けたころから家がおかしいのです。
私は馬鹿でした。
先生のアドバイスを無視した罰が下りました。
あれから我が家の建築も順調に進み、無事引っ越しも済んでかれこれ半年になります。
ところが梅雨が明けたころから家がおかしいのです。
ここまで読んで私は〇〇さんを思い出しました。
以下長々と家のおかしな現象のことが綴られていました。涙ながらのそのメールは読むに耐えない内容でした。
心配したことが的中したのです。地盤を甘く見た典型的な例です。