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◇ 高品質でローコストの住宅

常々ご要望の多かった『高品質で低価格の家』ですが、これは私にとっても長年の課題でした。
今回のローコスト住宅の開発に当って、改めてローコスト住宅の現在の状況などについて、簡単にお話させて頂きます。
文字の羅列で読みにくいかもしれませんが、家づくりのとても大事な事が記述されています。じっくりお読みいただくことを切望致します。

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高品質でローコストの住宅についての所感

巷では、様々なローコスト住宅と銘打った宣伝を目にしますが、一見「安い!」と思える坪単価でも、最終的な総建築費を見てみると「意外とコストがかかっている」という話をよく耳にします。
もちろん、住まい手がご納得の上で決断されたのでしたら、それそれで一つの選択肢だと思います。
ただ一方で、計画が進んで行き、最終的な段階で総建築費を知り「今更後に引けなくなり半ば無理矢理契約してしまった……」という話も耳にしたりします。皆様には絶対にそのようなことになって欲しくないと思います。
そこで、今後の為にもなるかと思いますので、ここで大切なことをお話しさせていただきます。

特にローコスト住宅等をご検討の場合は、予めきちんと掛る費用、つまり総建築費(施主の要望追加が無い限り、一切の追加料金も発生しない最終価格)を念入りにご確認され、最終見積書を提出してもらうことを強くお勧めいたします。

見積書は一式見積書だけの見積書は何の意味もありません。 一式見積書のサンプル
例えば、床板材が何㎡または何枚必要だから、㎡または枚当りの単価がいくらなので合計でこれだけになります。という形のように、材料の一つ一つが計上された、つまり明細見積書の提出を求めるべきだと思います。 明細見積書のサンプル

坪単価についても同様です。一口に「坪単価」といっても、その捉え方は様々です。
例えば一般的な工務店や大手のハウスメーカーでは、坪単価を算出する時に、既製のアルミベランダの面積までを含めた面積で総工事費を除していますから、一見坪単価が安いように見えます。既製のベランダは、どちらかというと設備品に該当しますので、ユニットバスと同じように設備費に計上したほうが理に叶ってる訳です。その方が実際には全体の工事費が安くなる場合もあります。
一方大工さんが造るベランダ(本体組み込み型ベランダ)は、上部に屋根をつけたりするケースなどもあり、一般的には坪数に含む場合が多いようです。
また吹き抜けの場合も、確かに床はありませんが、壁や天井は仕上なければなりませんので一般的には坪数に含みます。

最初に坪単価ありきの考えは良くないと思います。
建物の仕様や形により価格は正直に変化します。これは当たり前のことですし、容易にご理解いただけるところだろうと思います。
問題は、建築する住宅に掛る全ての費用(消費税や登記料などは含みません)が、どれだけなのか、その結果、総坪数(この場合先ほどの吹き抜けなどが含まれます)で除した結果が、いくらになったっているかの検討が実はとても大事なのですね。

最近は天井に勾配を付けて空間を広く高く見せたり、ドーマー屋根にしたりするなど、多彩なデザインが数多くなってきました。
これらの住宅を一律に坪単価で表示するのは誤った見方で注意が必要です。
どういうことかと言いますと、上記のような建物は当然費用がかさみますので、坪単価は高くなる傾向にあります。ですから、ローコスト住宅と銘打った住宅には殆どこのようなつくりにはしません。総工事費を安くするためには当然といえば当然な考え方ですので、納得いくところだろうと思います。

同仕様で同規模の住宅のコストが、階数を変えたり、モジュールを変えたりすることによって、どのように変化するのか、また、総2階矩形の建物と不整形2階の建物では、どのくらいのコスト差が出るのか、あるいはまた、同じ間取りの場合で、切妻と寄棟あるいは片流れはどの程度の価格差があるのか、天井を高くしたらどのくらい価格が上昇するのか等々、住宅のコストの本質を探るためには、いろいろな角度からシミュレーションを試み、これを詳細に分析し、データの言おうとしていることを的確に把握することが極めて大切なことです。
参考 木造住宅コスト研究

ところが、これらの価格分析を手作業で行うには、とても大変です。
そもそも、坪単価いくらの世界を作り出したのは、この面倒な作業が原因なような気がします。
最近では素晴らしいコンピュータの出現で、これらの作業が、正確にしかも短時間で処理できるようになりました。

単に図面の作成だけにとどまらず、単価管理や発注管理をはじめ、耐震設計の例えば偏心率を図面と連動して自動出力出来るようになりました。
私は、このコンピュータを駆使し、全ての物件の一棟一棟であらゆるシミュレーションを実施して、住まい手が求める無駄のない最良な住宅を生み出す努力をいたしております。
よくよく考えてみますと、家を坪単価だけで論ずること自体に無理があると思います。これに変わる単価表示が求められるところです。

私は常に以下のデータをコンピュータで算出し、住まい手のご要望に一歩でも近づけるべく、無駄のない家づくりに取り組んでおります。

● m3当り単価

坪単価や㎡単価は平面的単価表示ですが、このm3単価は、いわゆる立体的(建物空間・居住空間)単価表示です。
これには二つの考えがあります。
一つは、建物を一個の固まりとして捕らえ、床下から小屋裏、ポーチや屋根付きバルコニー等も含めたボリウムを基準にする考えです。

床の高さや屋根の勾配による天井裏の空間を、立体で捉えた数値を算出し合計しますので、極めて実態に則した単価だと思います。(建物空間単価)
この手法を使いますと、床高が低かったり、勾配の緩い屋根の家とそうじゃない家とのコスト比較がはっきりと出ます。

もう一つの考えは単純に総工事金額を延施工面積×天井高で除した値とする考えです。
最近では内部を勾配天井にしたり、天井を高くしたり、広い吹抜を設けたりと、平面的な単価だけで捕らえてしまうとコスト的に不都合な場合がむしろ一般的になっております。この考えはこれらのリスクを解消し、実態に近い単価として捕らえることが出来ます。注目の単価です。(居住空間単価)

● 柱1本当り単価

総工事金額を延べ柱本数で除した値です。
間取りによって、あるいは構造設計の仕方によって、微妙に単価が変化することが分っています。ひとつのデータとしてご理解下さい。

● 間仕切m当単価

総工事金額を延べ間仕切り長さで除した値です。
これも上記と同様のことが言えます。ひとつのデータとしてご理解下さい。
住まい手の「あれっ2階の間仕切りを一部無くしたのに金額に変更ないの?」なんて疑問は本来あるべきではありませんね。
2階の間仕切りを一部無くしたしたら当然安くなる。当たり前のことだという意味ですよ。

↓ ついつい前置きが長くなりましたが、以下がこのテーマの本論となります。↓

出来ることならよりハイグレードな住まいを誰しも望みます。
しかし、家は欲しいが、あまり予算をかけられないと言う方もいらっしゃると思います。
そこで、構造とかの基本的な部分は高品質基準をクリアした上で、徹底的にコストを下げた住まいを開発しましたのでご案内致します。

徹底的にコストを下げた住まいだからといって、安かろう悪かろうでは、良心が許しませんので、建物全体のレベルは、どなたでも納得のいく形になっています。
またどんなに良い仕様を掲げても、施工の段階での施工精度や確かな施工力がなければ意味を成しません。
このことが実は極めて重要なことで、これが欠落しますと厳密には高品質とは言えません。
見積は実勢価格で計上してありますが、各地区により単価はまちまちですので、あくまで参考程度にご覧下さい。

ご覧いただく住まいの概要は以下の通りです。

  • 基本モジュールは910mmと1000mmです。
  • 建物の規模は30坪~65坪です。随時増やしていきます。
  • 玄関の位置を東入り、西入り、南入り、北入りの各プランをご覧いただけます。
  • 建物の仕様は 「主な共通仕様」 に基づいています。
  • 建材類やキッチンなどの設備品は国内の一流メーカー品を標準装備しております。
  • 金額には外部給排水工事、浄化槽、照明器具、エアコン、カーテン・ブラインドなどは含まれていません。
  • 金額には消費税は含まれていません。
  • 各タイプの取り込みたいオプション工事を含めた工事費のシミュレーションが簡単に出来ます。(工事費は参考価格)

それでは、ごゆっくりどうぞ!