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◇ 小屋廻りの構造材


家の骨組みを担う構造材については、言うまでもないく極めて重要な工事です。
家に使われる柱や梁などの構造材は、最近では工場加工品を使用するようになってきました。この工場加工品は、あらかじめ工場で所定の寸法で継手などが加工される意味からプレカット材といわれています。
手加工と違い、精度、強度が格段に良くなり、建て方の手間も短時間でできるようになりました。
ここでは、小屋廻りの構造材について所見を述べてみたいと思います。

参考 尚、構造材に取り付けられる金物についてはコチラを参照してください。

小屋廻りの構造材は、主に小屋桁、小屋梁、小屋束、母屋、棟木、隅木により構成されます。特に重要なのは小屋の桁・梁です。理論的根拠の基に、材種や材寸等を決定しなければなりません。

写真で説明いたします。
小屋桁、小屋梁、小屋束、母屋、棟木の写真です。
桁・梁の寸法は一律ではありません。間仕切りによって支点間距離が違ってきます。
その支点間距離によって、桁や梁の成(高さ寸法)が決まってきます。
梁は通常240mm~300mm程度の成。小屋束、母屋、棟木は103mm×103mm(通常90mm角が多い)。
小屋束の間隔は最大1820mm母屋の間隔は910mmが標準です。

これも同じような写真ですが、屋根にトップライトが取り付いた写真です。
トップライトの位置はあらかじめ指示しておかなければなりません。

母屋の継手はカスガイでさらに緊結します。
継手の位置は束からの距離が理論的に定められています。

タルキは桁や梁当たりの全ヶ所に、写真のような帯金物(クラ金物と言います)を取り付けます。
これは、台風などの強風で、屋根が吹き飛ばされるのを防止する役割があります。

タルキの成(高さ)は軒の出によって決められます。
屋根の仕上げ材が、瓦の場合やコロニアルの場合など、また積雪など屋根にかかる荷重の程度も考慮しなければなりません。
タルキの取り付けが完了しますと、屋根下地材の構造用合板が取り付けられていきます。
この構造用合板は単に屋根下地材としての働きのほかに、わずかですが水平力に対する応力を発揮する役目も担っています。