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◇ 在来工法の長所と短所と心配事

構造・工法いろいろな名称の住宅がチラシや新聞紙上を賑わせておりますね。その違いを一つ一つ勉強するのは大変なことです。どの家にしようなどと考えていませんか?工法で選びますか?それとも建物のスタイル(デザイン)や機能で選びますか?それとも両方ですか?

本論に入る前に、工法の違いはお分かりですか?
在来軸組工法とはどんな工法ですか?
2×4工法とはどんな工法ですか?
木質系パネル住宅とは?
鉄骨系プレハブ住宅とは?
プレキャストコンクリート住宅とは?
まだまだこの他にもあります。結構一杯あるもんですね。さらに、輸入住宅やらカナディアン住宅やら、高気密高断熱とやらエアサイクルやら、中には骨太住宅なんてのもありますよ。

ここでは、木造の在来軸組工法について少しばかり勉強しましょう。
構造・在来工法在来工法とは読んで字の如く、日本の古来から営々として築き上げてきた建て方で、古来からの伝統の工法(造り方)を、厳しい修行を経て仕込まれた、本当の意味での大工さんが建てる住宅です。
土台とか柱や梁などの骨組みのほとんどに木を使い、どんな間取りにも対応できる素晴らしい工法です。また、他の工法と比較して、増改築などにもフレキシブルに対応できる点も特徴の一つです。それに、なんと言っても、日本の気候風土にマッチした工法であることも、見逃せませんね。

最近でこそプレハブ住宅などに押され気味ではありますが、それでも戸建て住宅の半分以上はこの工法です。それだけ結構根強いファンが多く、選択肢の一番手に上げたい優れた工法には間違いありませんね。

ただ心配事があります。家を造る担い手の大工さんの技術力(腕)の低下です。
ご存知でしょうが、大工さんの後継者の問題は業界では深刻な問題となっています。当然腕の良い大工さんは少なくなってきています。しかも高齢者が多くなってきました。あと何年かしますと、極端な話しですが、「ダイク」さんならず「ダイロク」さんが多くなりそうです。(笑)

家の造りは大工さんの腕に大きく左右されます。
ですが、どの大工さんが腕が良くて、どの大工さんが腕が悪いのか分りようがありませんよね。これでは、家造りも宝くじを買うようなものですね。

犬小屋それとも、建てる前に試験をします?犬小屋でも造ってもらって、その出来具合で判断するとか。そんなのあっても面白いですね。腕の悪い大工さんに当ったら悲劇ですね。
もちろん、元請の現場監督が優秀で、それを補って余りある方ならそんなことも無いかもしれませんが、工務店自体の施工レベルや技術レベルが低い場合ですと、どうすることも出来ないのが現実です。

最近では、同じ在来工法でも、こうした大工の腕に頼らなくても、均一で良質な住宅が出来るような工法が開発されてきました。大工不足という側面がもたらした、良い意味での社会現象ですね。やはり人間は良い知恵が出ますね。

職人の腕の低下は、何も大工さんに限ったことではありません。大抵の職人がそうだと言っても、言い過ぎではないくらいに腕が落ちています。
こう言いますと、職人さん達に怒られそうですが、事実ですから仕方がありません。ですから今、業界上げてその対策に取り組んで、必死の努力をしているのも事実です。

腕が悪いのと、手抜き工事は別物です。
手抜き工事は、工務店が意図的に行う行為(管理がしっかりなされた上での話しです)ですので、建主にはまず分らないでしょう。
言葉を変えれば、
技術的なレベルの中には、例えば筋違(この言葉がお分かりですか?とても重要な部材ですよ)に釘打ちする時の長さや本数があります。この長さや本数を間違えたとします。これは、誰の責任でしょう。大工の責任?それとも現場監督の責任?
大工さん達は真面目で一生懸命に働きます。(そうでない方も、もちろんいますが)おそらく、手抜きなどということは、爪の垢ほども考えたことは無いでしょう。ですが、この腕の悪さはどうしようも無いことです。当然、現場監督の責任ですよね。
筋違の構造上の重要性を周知徹底させる立場の人が、それを怠った訳ですから、その責任は重大です。
それは工務店の家造りの杜撰さでしょうか。それとも、現場監督が元々現場を管理するだけの能力を持ち合わせていなかったのでしょうか。

いずれにしても、これらは厳しい言い方をしますと、工務店の企業レベルに起因します。
いえ、ほんとの家造りを知らないと言っても良いかもしれませんね。あなたが家を造る際に、金儲け主義に走る工務店や、家造りに対し謙虚さを無くした工務店や、管理能力の無い監督や腕の悪い大工や職方に、当らないことを心からお祈りするばかりです。