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◇ 設計段階の構造上の留意事項


特に木造建築の地震に対する安全性については、地震の持つ一瞬の破壊力を考えますと、慎重に考慮する必要があります。
また、およそ過去の経験値(カン)は、全く通用しない事をを知るべきだと思います。
ここでは、在来軸組工法木造住宅の耐震について、つぎのような点に注意することをお奨めします。

その他、丈夫な構造のポイントはいくつかありますが、以上の2点が守られるだけでも、格段に耐震性が高まります。是非とも実行したいものです。
ところが、構造上の5つのチェック項目の計算は、実は結構面倒です。面倒なだけに手を抜いてしまいがちで、これが命取りになります。

こういった、理論的に構造をチェックする方法があることすらも知らない施工業者が散見されます。
また、耐震を意識した設計を心がけても、施工する側に耐震意識のない場合、全てとは言いませんが、その施工精度に問題がないとは言い切れないところがあります。

建物は「施工」という段階を経て完成されていく訳ですので、分かりきった話ですが、この施工の段階での精度が極めて重要だということは論を待たないところだろうと思います。
どんなに完璧な図面があっても、その通りに施工されない限り、絵に描いた餅に過ぎないということです。例えば筋違に取付ける金物の釘が1本抜け落ちていたら駄目だということです。

襲ってくる地震の規模も時期も場所もほとんど予測不能です。
ですから、このテーマ記事に記載されている通りにすれば、どんな大きな規模の地震でも大丈夫なのかと問われると、答えは「いいえ」です。
過去のデータなどから、あらかじめ想定できる規模に対して、構造上の耐震策を施しておこうと言っているに過ぎません。

このテーマ記事通りにした設計プランがあったとして、その建物が、軟弱な地盤の上に建っていたとすれば、どう思いますか?
大規模な地震じゃなくても倒壊の恐れが十分にある訳です。

このテーマ記事では、基礎の構造とか、建物の形状とかには触れていませんが、重要な要素であることには変わりありません。
それらを耐震上の上から十分考慮・対処したうえで、耐震構造の考えを組み込むイメージで取り組まなければなりません。

過去に台風や地震による被害をいくつも経験しておきながら、抜本的対策が講じられてこなかったツケが、現在いや未来をも含めて、人類の生命にとって、とても大きな脅威として降りかかって来るのではないかと心配です。

恐怖の地震から身を守る為必ず「耐震設計」をしましょう!