木造住宅に使われる木材の乾燥度についてお話します。あまり認識されないところもありますが、とても大事な事ですので、頭の片隅にでも置いておいた方が良いと思います。
通常木材市場で丸太を仕入れ、製材所で柱や桁材にカットされただけの状態の木材は乾燥状態が悪く、グリーン材と呼ばれています。
グリーン材を現場に使用しますと、主に次のような現象がおきます。
- 材の収縮が大きく、家のいろいろなヶ所に狂いが生じやすくなります。
- いわば濡れた木材の上に、例えば下地材などを取り付ける訳ですが、その下地材が柱などの水分を吸ってしまい、表面に浮き出てきてカビなどが発生する場合があります。
- 家が完成した後、壁や天井のクロスがカビで黒ずんでくる事がありますが、これは木材の湿気をクロスの下地材の石膏ボードが吸い取り、カビが発生し表面に出てきた現象です。
- 小屋裏などからピシッという音が良く聞こえてきますが、これは木材が収縮するときに継手などから発すると思っていいと思います。
KD材といわれる乾燥材を積極的に採用することをお勧めします。
コスト的には高くなりますが、木材の収縮による障害がほんとに少なくなりますので、それを考えたら安いのかもしれません。打ち合わせの時に、設計事務所や施工業者に、KD材かどうかを、それとなく聞いておいた方が良いと思います。
こんな裏話は、意外と知られてなく、分からないことなのかもしれませんね!