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◇ 木の良さについて

住宅に使われる木材については、その良さや特徴については、いまさら申し上げることもないとは思うのですが、今一度見つめ直しておきましょう、ということで記述することにしました。

一般に「木」に対しての感じ方といいますか、特長についてはいろいろありますが、まとめてみますと次のようなことになるのではないでしょうか。
但し、ここでいう「木」とは、工場などで作られる木もどきの合成木ではなくて、「天然の木材」のことを指しますので、そのつもりで読んでください。

  • 人に優しい
    手で触った感触や歩き心地は他では味わえない独特なものがあります。
    幼児や低学年の子供たちが、素足で天然のフローリングの上で遊ぶことで、情緒豊かな心になるとか、おおらかな精神が養われるとかいわれるのは、それらの心地よさが強く働きかけていると考えられています。
  • 温もり感がある
    木材の熱伝導率は低く、その為に木材が本来持っている温もりを感じることができます。
  • 人を和ませる木目
    数十年から数百年の歳月を掛けて刻まれる年輪は、私たちの目に触れるとき、その自然の造形美が与える快適さや癒し感は、日本古来から親しまれ愛されてきた伝統的な木造りの中に営々と生き続けています。
  • アロマテラピー
    天然木には樹種により、それぞれ独特の香りを発します。その香りが私たちを癒し、時にはストレスを解消してくれる優れものです。
  • 優れた調湿作用
    木は優れた調湿能力があります。温度と湿度を巧みにコントロールしてくれます。木はいつも呼吸をしているといわれる所以でもあります。
  • 木は強い
    ご存知だとは思うのですが、木は百年、千年もの間生き続けることができるとても強靭な生き物です。神社仏閣を代表とする、現存する古い木造建築が証明するように、製材された木材でも天然木の強さはすごいものがあります。
  • 木は劣化が少ない
    例えば木と鉄材の経年劣化を比較した場合、風化による劣化は木のほうがはるかに小さいという調査結果もあります。
  • 木は燃えにくい?
    実は主要構造材として使われる梁や桁などの木は、内部(中心部)まで燃えるのに時間がかかり、長時間強度を保つことが分かっています。その為、火災時の安全性の点でも見直されています。
  • 木は腐食しやすい?
    木が腐るのは腐朽菌の繁殖によるものですが、酸素、水分(湿度)、温度、栄養分などの条件が揃わないと菌は活動しません。このなかで特に気をつけなければならないのは水分(湿度)です。たとえ他の条件が揃っていても、湿気が無ければ菌の繁殖を抑えることができます。ですから、この点さえ注意すれば木は十分に長持ちしてくれます。

この他にも「木」の良さはありますが、この程度にしておきます。
「木」は家づくりには欠かせないものですが、上記のような優れた能力をもっともっと知って、上手く活用することで、木造住宅の良さを深く理解して欲しいと思います。