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◇ 熱環流がもたらす不思議

この記事は約2分で読めます。

外壁にサイディングを施工する場合にお勧めしたい通気の話です。
特に真夏の場合など、日当たりの良い南面の外壁は相当な熱を受けます。逆に真冬の場合は、冷たい空気にさらされることになります。
この空気を、部屋内部に届きにくいようにするのが通気工法です。
それでは、一般的にどういう手順で施工されていくかを見てみましょう。


土台水切り

外壁を伝わって落ちてくる雨水を、この水切りで受けて外部に排出します。この水切りを覆って、次に説明にある防水シートが張られます。できればこの水切りの内側に防鼠材を施し小鼠や虫の侵入を防ぎます。水切りは通気層の厚みにより、色々な寸法が用意されています。

防水シート

下地材として施工する防水シートは、透湿シートとも呼ばれもので、雨の進入があった場合にその水滴をはじく機能があります。これをまず柱や間柱当たりに、タッカーといわれるホッチキスみたいなもので留めていきます。外壁の下部の方から留めていきます。サッシ廻りは雨の侵入防止の為に防水テープで保護します。

通気用縦胴縁

空気の流れを確保するために、通気用胴縁を間柱当たりに取り付けます。(455mm間隔)この胴縁に外壁材のサイディングが取り付けられます。通気用胴縁は、厚さ15~21mm程度のものが使用されます。この通気部は高温になり、また万一水漏れなどがあった場合、胴縁そのものが腐食する可能性がありますので、あらかじめ防腐処理した材料が使われます。
外壁材のサイディングは釘で固定されますが、釘の頭が見えてしまいます。そこでサイディングと同色の補修液で、釘の頭を塗りつぶしていきますが、経年とともに剥がれ落ちてしまう場合があります。

通気用金物

通気用の木製胴縁の代わりに、最近では写真のような金物が多く採用されるようになりました。これは通気のための空間を確保しながら、サイディングのジョイント部や中間部用として取り付けられます。縦胴縁と違う点は、金物ですので腐食の心配もなく取り付けも簡単です。
また、縦胴縁の場合のような、釘頭が表面から見えませんので、仕上りがとても綺麗です。

棟換気との関連について

通気層や小屋裏の熱せられた空気を、屋外に排出するために設けられるのが棟換気金物です。どんなに外壁に通気用の空間をつくっても、この棟換気金物がないと全く意味を成しません。建物の外壁部と小屋裏に溜まった空気を、いつも対流させることで、熱が部屋内部に影響を及ぼしにくいようにします。と同時に、建物の耐久性の向上に寄与します。

より効果を発揮させるためには、外壁や天井裏や屋根の断熱材との関連を、十分考慮に入れなければなりません。


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