◇ はじめに
ここに演歌ならぬ「忠恕蕩々の歌」と題して、私自身が作詞するには、あまりにも筆力のなさを感じながらも、ただ好きだから、ただ書きたくなったから、それだけのことで、恥も外聞もかなぐりすてて、挑戦してみようという自分の勇気をほめたい気持ちであります。
◇ 故郷の香り
田舎のおふくろ 達者かな腰をかがめて 歩く姿目に浮かぶたまには電話して 何か話しておくれもうずいぶんと古くなった 縁側でベルの音待っている いまか今かと
◇ 途切れたぬくもり
なんで潮風 煙をゆらすいつかいつかは 一緒に暮らす合わす手の 落ちる涙にそんな思いが 胸突き上げるああ ああ も一度聞きたいあの歌声を あのささやきを
◇ これさえあれば
小さな船に ゆらゆられ流し流して 流し網獲物なんかはどうでもいいよ俺にはこれが 一番さ手にもつ焼酎 波の上かあちゃんこさえた 晩飯とこれさえあれば 天下だぜ
◇ おかんの背
春が好きよと 花に添い背せなをかがめて つくねんと母という名の 私にも輝く季節 あったのよ愛のかけらの ひとつやふたつ夢見た野辺の あぁ 花一輪