長いようで短い人生 心に響く感動と共に生きれたら……
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◇ 静寂の時空

人生流転(6)
-静寂の時空-
海岸の砂浜に腰をかけ
地平線の遠くに見える街並の灯りを
ただぼんやりと眺めていた
スーっと流れる灯りは漁船の灯りだろう
静寂があたりを包み
手が届きそうな満天の星空
およそ大都会では見ることの出来ない
自然のきらめきである

時間が止まって見える
何もかも止まって見える
人々はその止まった時空に全てを預け
ただひたすらに呼吸を繰り返す
同じ人間でありながら
時の刻みと命の燃やし方は
あたかも別な人間の様な錯覚すら覚える