日々是好日(9)
-最上階から-
眼下に広がる夜の街並み
灯かりの数だけ街がある
灯かりの数だけ街がある
あの灯かりの下で
人は何を思い何を楽しむ
いや、あの灯かりの下で
何を悲しみ何を愁う
ついこの前までは
わたしもそうだった
薄明かりの小さな部屋の片隅で
何することのない日々が
辛いという言葉と同居して
天を仰いでただ泣くばかり
これではいけないと思いながら
なすすべのない途方の日々
ふとしたはずみの出来事が
今窓辺に写る自分に言う
ほんとに頑張ったね!
乾杯しようか……ワインで