エッセイ(22)
-美しい笑顔-
晴れた朝の6時30分頃のことでした
いつものようにいつものコースを
少し汗ばんだ顔で散歩していました
いつものようにいつものコースを
少し汗ばんだ顔で散歩していました
ふと、100メートルほど先に
黒い帽子に黒装束の人が
大きく両手を振りながら
こちらに向かってくるのが見えた
遠目にも明らかに女性であることがわかる
正面衝突を避ける為咄嗟に
身体を道路の中央寄りに移動した
段々とその人の姿が近づいてくる
そして すれ違いざまに
軽く会釈しながら
すれ違う誰にでも言ういつもの挨拶
「おはようございます」と小さく言った
散歩にしては興味のある姿恰好である チラッと顔を見た
その人も同時に少し上目づかいにこちらを見た
聞き取れないほどの「おはようございます」が返ってきた
その顔は微笑みを満面にたずさえていた
多分初めて見る
絵に描いたようなとても美しい笑顔だった
その時以来 私の心にかすかな明かりが灯った