良いこと悪いこと、反省もしました。後悔もしました。喜びもありました。悲しみもありました。そして楽しいことも一杯ありました。
一つ一つが想い出に化してしまいます。この中で心の奥底にいつまでも消えてなくならない、想い出は幾つあるのでしょう。加齢と共に想い出の数は増えますが、思い出せない想い出も数多くあります。
時は流れつづけて止まることを知りません。若かりし時の、時空を超えたほとばしる情熱は次第に変化し、小さな情熱と、わずかな感動を求めてさまよい歩いています。今や時の流れを静かに受け入れなければなりません。
加齢は時の流れの意味を鮮明にしてくれました。加齢は時の大切さを教えてくれました。今ある自分が一瞬でもいい輝きを得る為に、何をしなければならないかを、問われているような気がします。
加齢と共に美しく。
身も心もこんな気持ちでいたいと思う昨今です。
そして今、秋になりました。
四季の中でも秋ほど短く感ずるものはありません。それだけにこの季節が、何か、いとおしく感ぜられるのは私だけでしょうか。
拙作ですがこんな気持ちを詩にしてみました。
●縁側の 風鈴の音の 今一度
名残惜しさを そっと綴じ込み
●秋の海 若者達の 夢の跡
渚に残る 夏のぬくもり
●ふとみれば 風の谷間に 咲く花の
可憐なしぐさ 君とダブらせ
●秋空に 女心を うながして
ほのかな愛が 燃えて咲くかも
●柔肌に 涼しき風と 降る雨を
もっと恋せと そっと滑らせ
●天高く 内なる思い 吐き出して
恋せよ乙女 輝きよ増せ
●彼の人に 思いを寄せて 叫ぶれど
微笑み返し 秋ぞ侘しき
●青柿を 頬にあてがい あの人の
思い何処に 知らんと欲す
●人恋し 季節はいつも 訪れど
あふれる心 如何に伝えん
●コスモスの 命限りに 線路端
友は何処か 我ここにあり