長いようで短い人生 心に響く感動と共に生きれたら……
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◇ 人間だから

旅立ち(6)
-人間だから-
とうとうここまで来てしまった
川の流れに乗って
これから何処へ行こう
大海原に出て
遠い遠い島にたどり着いても良し
きらきらと輝く夜空の星を数える間に
白い砂丘にたどり着くも良い
この自然の懐に抱かれて
静かに眠りについても良し
大事にしてきた何もかもが
消えて無くなっても良い

そうだ それでいいのだ

違う自分に出会うために
いま新しい創造の積み重ねが必要なのだ
何を望んでもいけないのだ
何を考えてもいけないのだ
自然に任せるのだ
そう
自然の営みに任せるのだ

春の美しい花たちを見て
幸せを感じたことあるかい?
ぎらぎらと輝く夏の太陽に向かって
叫んだことあるかい?
はらはらと落ちる木々の葉に
涙したことあるかい?
凍てつく木枯らしに
裸体をさらけ出したことあるかい?

ほかでもない
人間だから
弱くてはかない
人間だから

だから今
過去の虚像を消して
脱皮の協奏曲を奏でるのだ