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[3-4]新築にするかリフォームにするか

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[3-4]新築にするかリフォームにするか

リフォームで済ませるか、新築にしたほうがいいか、この悩みは結構多いですね。私の経験では、新築して25~30年前後、中古住宅を買って10~15年程度経つと、この悩みが次第に頭をもたげてくるようです。
ここでは、リフォームするという観点から検討することで、最終的にどちらにするかの、判断材料を見出していければと思います。

リフォームで済ませたいと思う理由は大体次の通りです。

この他にもあると考えられますが、ここでは、とりあえず上記のようなことについて述べてみたいと思います。
家を新築した当初や中古住宅を買った当初とは、経年と共に、家に対して明らかに少しづつ不満が積み重なってきます。これは、家族構成の変化や、所得の変化や、家に対するもっと違った夢などが、今住んでる家が満たしてくれる範囲を超えて、次第に大きく膨らんで来たからだと思います。
そして、人生をより豊かに生きて行きたい思いと、どうせなら、年を取ってからでは大変だから、出来るだけ若いうちに実現したい。などの思いが、だんだんと募ってくるからだろうと思います。

それでは、上記のように思う理由について、掘り下げて考えてみることにしましょう。

・長年住んでいるから愛着があり取り壊すには忍びない

確かにそういう点はあります。
つい先日、地元の方から、こんな相談がありました。

もう百年近い昔からの家で、台風や地震のたびに揺れて、今にも壊れそうだけど、代々続いてきた家だから愛着があり、いろんな人から、もう取り壊して、新しい家にしたらなんていわれるけど、どうしてもその気にならない。何かいい知恵は無いものでしょうか?

私はその方の、どうしてもその気にならない気持ちが、何処から来ているのかを知りたくて、その方に言いました。
「一度現場を見させていただけませんか?」
私は翌日、その方の住まいに足を運びました。現場を見て、その方の、どうしてもその気にならない気持ちが、良く理解できました。とても素晴らしい建物でした。文化財の指定をしてもいいくらいの、趣きのある立派な住まいでした。無責任にも取り壊したら?なんていえない代物でした。
「奥さん、これは今では得がたい家です」
「絶対に壊してはいけません」
「地震や台風に対する備えは、今のイメージを壊さずに出来ますよ」
「そして、さらに何十年と持ちこたえられるようにもできますよ」 と、私は奥さんに言いました。
奥さんは、我が意を得たりの顔で、満面の笑みを浮かべて、
「やっぱり相談して良かったわ! ありがとうございます」

他方、長年住み慣れた我が家に、愛着があるのは良く分かりますが、かといって、不自由を強いられながら毎日を暮らすのもどうかと思います。リフォームで満足できそうであれば、それにこしたことはありません。予算や希望が満たされるのであれば、のびのびとした楽しい我が家を先取りして、暮らしをエンジョイするのも一つの考え方だと思います。

・まだまだ家としては丈夫なようだし壊すには勿体ない

実は、この「丈夫なようだ」が問題な場合が結構多いのが事実です。これも、最終的には新築にされた例をご紹介します。
最初の段階では、
「家としては丈夫なようだし、壊すにはもったいないから、リフォームしたい」
という強い希望がありましたが、私が、築25年経過したこの家について、一つ一つ質問したり、一緒に床下にもぐってもらって、床下で基礎のことやら、構造のことを、分り易くいろいろ説明をしたりして、お客様の反応を見ていきました。当時の施工業者の施工力の程度を、推し量ることは出来ませんが、少なくとも私の目には、たいした施工力でもないような判断でした。
こうして、いろいろ打合せして、お客様の気持ちを最大限取り入れながら話を進めた結果、リフォームにした場合の費用と、新築にした場合の費用を比較してみようということになりました。

そして、見積書を作成して比較したら、リフォームしたほうがやや安いという結果がでました。大幅な改造(増改築)を予定されていましたので、コスト的には、相当掛ってしまう訳です。
二つの見積書をお客様に渡し,内容を細かく説明しながら、
「最終的にはお客様の判断ですから、良く検討してみてください」
と言って、その場を去ったわけですが、去り際にこう言いました。
「既に築25年経過した家を、改造し化粧しても元々の構造は更に年を重ねていきます」
「基礎もそのままですし、最大譲っても、その点の心配は残ってしまう懸念はありますね」
「問題は対費用効果をどう考え、価値を何処に置くかということだと思います」

しばらくたって、お客様から電話があり、
「いろんな角度から検討したけど、新築にしようと思います」
という返事をいただきました。
私は今でも、お客様は賢い判断をされたと思っています。今住んでいる家が丈夫だという判断は、どこまで、どの程度リフォームするかによって、ややもすると誤った判断となる場合があります。また、費用的にも大きな差が出ますので、慎重な考えの元に、最良の結論を導き出す必要があるようです。

・リフォームのほうが建設費が安くつくような気がする

ここのテーマでは、例えば浴室だけをリフォームして、ユニットバスにしたいという類の話ではなく、新築かリフォームかという大きなテーマですので、論点をそこにおいて考えなければなりません。
建設費については、築何年の家を、どの程度リフォームするかによって大きく違ってきますので、一概には言えませんが、何回となくリフォームを重ねても、いっこうに満足できない。とか、その時その時は小額費用で済んだけど、結局はトータルすると高くついてしまった。など、いろいろな問題点が浮かび上がってきます。

リフォームの場合は、既存のもの、例えば壁とか天井とか、下地材などを、どこまで壊さなければならないのかなどの、施工の仕方によって、解体費用が大きく違ってきて、全体の費用を押し上げる要因になる場合があります。
また、壊してみないと分からないなどの理由で、見積の段階で、結果として余分な費用を計上してしまう傾向があります。ですから、必ずしもリフォームのほうが安くつく、というわけにも行かない場合がある、ということを知っておく必要があります。

・工事中の仮住まいを借りるのが面倒くさい

だからリフォームで済ませたい?それはないでしょう。住みながら工事してもらうほうが、よっぽど煩わしいと思いますけどね。とはいえ、心のどこかに、「面倒くせーなあ」なんて思う人は、結構いるのかもしれませんね。
リフォームの場合、住みながら工事してもらうのに、それなりの費用がかかるって事ご存知ですか?いずれにしても、こういう考えの人は、家づくりは考えないほうが無難かもしれませんね。
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