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[4-8-2]良い家とはどんな家なのか

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ステップ【4】設計ことはじめ(設計事務所か工務店か)

[4-8]安くて良い家は出来ない?

   
   

安くて良い家をつくる。
これは、
私の永遠のテーマの一つです。
この実現のために、
どれほどのエネルギーを注いできたことか……。


◆良い家とはどんな家なのか

あなたが考える「良い家」とは、どんな家のことをイメージしますか?
ここで「良い家」についてのキーワードを思いつくままに列挙してみます。

  1. デザインの良い家
  2. 間取りの良い家
  3. 住みやすい家
  4. 使いやすい家
  5. 明るい家
  6. 風通しの良い家
  7. 湿気のない家
  8. 頑丈な家(強い家・長持ちする家)
  9. 安全な家
  10. 安い家(経済的な家)
  11. 冬暖かくて夏涼しい家
  12. 省エネの家
  13. 雨漏りしない家
  14. シックハウス対策を施した家(健康な家)
  15. 設備の良い家
  16. オール電化の家
  17. バリアフリーの家
  18. 財産価値のある家
  19. 将来の変化に対応できる家

とりあえず19個のキーワードになりました。一つ一つは、そうありたいという気持ちも含めて、ま、納得できるものばかりだと思います。これを関連するキーワードをまとめてみますと、おおまかですが次のようになります。

  1. デザインの良い家
  2. 間取りの良い家、住みやすい家、使いやすい家、バリアフリーの家
  3. 明るい家、風通しの良い家、湿気のない家
  4. 頑丈な家(強い家・長持ちする家)、雨漏りしない家
  5. 安全な家、オール電化の家
  6. シックハウス対策を施した家(健康な家)
  7. 設備の良い家
  8. 安い家(経済的な家)、省エネの家、冬暖かくて夏涼しい家
  9. 財産価値のある家
  10. 将来の変化に対応できる家

10個のキーワードに絞られてきました。これらは全て重要なキーワードですが、あえて私なりに優先順位をつけながらまとめてみます。以下のようになります。


なぜこういう順番にしたのかの説明が必要ですね。以下の理由です。これもいろいろな考え方がありますので、人により優先順位は変わるとは思いますが……。

  1. 1.頑丈な家(強い家・長持ちする家)、雨漏りしない家

    地震や台風にもろい家に住んでいると、いつも不安な気持ちで日々を送ることになります。もちろん地震の規模の予想は出来ませんので、どこまで丈夫にすればいいの?ってことになりますが、出来るだけ強く長持ちする家がベストです。

    以下も読んでおいて下さい。
    家づくりの基本的な考え方

    雨漏りも嫌ですね。
    最近では余程のことがない限り雨漏りする家は無いかもしれませんが、デザインを凝るが余り複雑な屋根形状にした家は雨漏りし易いですから、屋根形状は「シンプル イズ ベスト」を心掛けたほうが良さそうです。
    デザインの満足さよりも雨漏りの不愉快さのほうがウェイトとしては大きいと思います。新築したばかりの家で雨漏りした時のやるせなさは、経験した人でないと分らないかもしれません。

  2. 2.安全な家、オール電化の家

    「安全」とは何から安全? つまり家を守り自分を守ってくれるかという事です。

    火災に対して安全

    自ら火災を起こしてしまう場合と延焼による火災が考えられますが、いずれにしても最近の家は法的な規制が厳しくなり、火災に対しては心配しなくても良いくらいに安全になりました。

    参照:火災に強い建物にするにはどうすれば良いか?

    最近自然志向とか回帰とかの考えで、内部に木製の板を張った家を良く見かけますが、これらの建物は一旦火災を起こしますと、猛烈な勢いで火が家中を回ってしまいますので注意が必要です。
    最近は燃えない板が開発されて、家のリビングや台所でも使用できるようになりました。この板だと安心ですね。今のところ価格は相当高いですが検討に値すると思います。

    また、いわゆるオール電化の普及に伴い、IHヒーターの普及は目覚しいものがありますが、一つには台所における安全性が注目された結果だと思います。

    泥棒が入りにくい家の造り

    泥棒などの不審者の侵入を防ぐセキュリティー技術は近年急速に発達してきました。
    サムターン廻しとかピッキング対策用の建具の開発、防犯カメラや防犯インターホン、警告照明器具等々、映像通信技術の進歩などで、セキュリティー性能が格段に向上してきたことはとても喜ばしいことだと思います。

    台風のときの飛来物に対する安全

    強い風にあおられて瓦や木枝や看板などが建物の窓ガラスを直撃し、散々な目にあったなどの話を良く耳にしますが、この対策を新築時に考えておいたほうが良いと思います。
    大きい窓は雨戸で防げますが、小さな窓や出窓などは難しいですね。小さな窓は出来れば強化ガラスにするか窓格子を付ける事で防止出来ます。もちろん意図的に各小窓にシャッターを付けることで防止出来ますが、コスト的に少々難があります。

    出窓は強化ガラスで防止するか、シャッター雨戸付の出窓にするかどちらかだと思います。
    透明ガラスなどの場合、部屋から外を見た時に格子が目障りで、雰囲気を損なうような場合も多々あると思います。年に一度や二度の台風の為に目障りな格子は付けたくないと思われる方は、特注で開閉式の格子にするかシャッターを付けることで解決出来ます。ご一考を。

    余談ですが、最近コストを掛けたくないという理由からだと思うのですが、並板ガラスの大きな窓に雨戸のない家や、小さな窓の格子のない家が散見されますが、優先順位を逸脱しているようで、少し考えさせられてしまいます。

  3. 3.間取りの良い家、住みやすい家、使いやすい家、バリアフリーの家

    家は何と言っても使いやすく住みやすい家でないといけません。
    同じ条件で設計者に依ってこうも違うのかと思うくらい住み心地に差が出てきますから面白いですね。
    このテーマには直接関係ないかもしれませんが下記も参考にしてください。

    設計に自分のこだわりをうまくおりこむ方法は?

    使いにくく住みにくい家にならない為にも、設計段階での打合せは十分過ぎる程しておいたほうが良いと思います。

    バリアフリーについては、あえてここで申し上げることはないと思います。それだけ、もう当たり前になってきたということですね。

    参考までに ⇒ バリアフリーについて

  4. 4.シックハウス対策を施した家(健康な家)

    これはもう言うまでもないことでしょう。ちょっぴり宣伝めいた部分もありますが、下記のページを参考にして下さい。

    「病気になる住まい」と「健康になる住まい」

  5. 5.明るい家、風通しの良い家、湿気のない家

    これもあえて説明の必要はないでしょう。こうありたいものです。参考までに下記を覗いてみてください。

    光と風と緑と

    湿気対策はとても重要です。
    湿気のために室内にカビが発生したり、それが原因で病気になったりします。
    基礎の構造や木材の乾燥度のほかに、通気工法にしているかどうかなど、湿気を呼び込まないつくりを心掛ければ殆ど解決できる問題です。基礎の構造では、床下からの湿気を防止する対策が重要です。

    基礎については、応用編で詳しく記述しますのでそちらをを参照してください。

    木材の乾燥については、出来ればKD材と言われるものをする事をお勧めします。

    通気工法については [5-4]-高気密高断熱について-(熱環流がもたらす不思議)を参照してください。

  6. 6.安い家(経済的な家)、省エネの家、冬暖かくて夏涼しい家

    関連記事は下記を参照してください。
    住宅コスト研究レポート
    [5-4]-高気密高断熱について-(熱環流がもたらす不思議)
    高気密高断熱の家にするにはそれなりのコストが掛ってしまいますが、省エネに繋がる訳ですので長い目で見ますと随分得になります。

  7. 7.設備の良い家

    システムキッチンにしてもユニットバスにしても、またウォシュレットや洗面台、オール電化、太陽光発電等々、家の設備もいろいろな種類やグレードがあり、それなりに当然価格が違ってきます。

    ここで言えることは、設備にお金をかけるのは程々のほうがいいということです。
    機械物は耐用年数がある程度はっきりしています。その為出来れば今世に出ている最高級な品物を設備しても、7~8年後には場合によっては取り替えなければならないこともあります。ですから程々の設備にしておいたほうが良いということです。
    この考えには異論があるかもしれませんが、長年の経験上そう思っております。

  8. 8.デザインの良い家

    デザインは個性ですので一般的な評価はもちろん出来ますが、どのデザインが良くてどのデザインが悪いということにはならないと思うんです。
    建築家の押し付けのデザインが良いとも思えませんし、かと言って、どうでも良いなんてことも出来ませんので、最終的には、施主の思いに設計者としての思いを、ミックスさせたようなデザインになるのが一般的かなと思います。ところが、設計者のこのデザイン性、こだわりに惚れてお願いしました。なんてこともよくある話ですから難しいですね。

  9. 9.財産価値のある家

    例えば何かの理由で家を売らなければならなくなった時に、建物の実評価をどのように判断するかで、売買金額に大きな差が出てきます。
    今のところ中古住宅の評価制度はあって無きが如くですので、あくまで見た目の判断になり易いですが、数年前から始まった性能保証制度は、ある程度これらの判断に良い結果をもたらすものと思われます。これまで申し上げてきた1.~8.までのキーワードを確実に実施施工しておけば、財産価値としてはかなり高く評価されるものと思います。

  10. 10.将来の変化に対応できる家

    これも大事なポイントです。
    家族構成の変化などにより、家を増改築したい時に、構造上手を加えることが出来ない、出来たにしても、必要以上に費用がかさんでしまう、なんて事では現実問題として困ってしまいます。将来の変化にフレキシブルに対応できる家を、設計の時点で考えておくべきだと思います。

このテーマの最後に「家の価値について」記述します。次へお進みください。


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