この講座では家づくりに関する知識を順路に沿って身に付ける事が出来ます
MNJK MN住宅建築研究室
▼ ▼ イメージ通りに良い家をつくる為のアドバイス講座 ▼ ▼
ステップを踏みながら少しずつ学び、確実に自分のものに!
PR

[4-8-1]家のコストについて



家づくりを真剣に考えていますか?
あなたの家づくりを応援します

ステップ【4】設計ことはじめ(設計事務所か工務店か)



[4-8]安くて良い家は出来ない?

   
   

安くて良い家をつくる。
これは、
私の永遠のテーマの一つです。
この実現のために、
どれほどのエネルギーを注いできたことか……。

◆家のコストについて

出来れば本論に入る前に、
住宅コストに関する研究レポートをご覧いただければ、より深くご理解いただけると思います。

この研究レポートは、月刊建築知識特集の構造別コストシミュレーションの木造住宅編を担当執筆したものです。木造住宅のコストに関してあらゆる角度からシミュレーションしております。文字がぎっしり書いてありますので、少々、嫌になるかもしれませんね。ま、軽く目を通していただければいいかと思います。

実はこれを発表したときに、
全国の工務店さんから引き合いがあり、データを貰えないかという問い合わせが結構あったんです。内容的には、かなり濃いものになっているかなと自負しています。
この中でも随所に、住宅のコストについて突っ込んだ話をしていますが、ここでは、その中の家の規模と坪単価について、ここで改めて考えて見ます。

坪単価について

家の規模、例えば30坪とか40坪とかの事ですが、この坪(面積)について考えたときに、概念的には延床面積のことを言います。ところが、家には玄関ポーチや吹き抜けがあったりベランダがあったりしますが、通常はこれらは床面積には含まれていません。

そこで、大抵の工務店やハウスメーカーは、これらの面積を入れたものを、会社によって呼び方はいろいろですが、一般的には施工面積と称して区別した考え方をしています。当然、玄関ポーチや吹き抜けもベランダも、大工さんが造る訳ですので費用が発生します。

坪単価とは総工事費(これもどこまでをいうのかあいまいですが 後述)を、面積で除したものをいいます。
で、ここで、坪単価というものは、一体どちらの面積、つまり延床面積か施工面積の、どちらの面積で除したものなのかが問題となります。

通常、施工面積のほうが延床面積よりも大きくなりますので、当然施工面積で除したほうが坪単価は安く表示されることになります。
例えば2025万円の工事費を、床面積を40坪施工面積を45坪とした場合、
2025万円/40坪=506,250円
2025万円/45坪=450,000円
となって、差額が56,250円もあります。
大概の工務店を含めたハウスメーカーは、この安く表示できる方法を採用しています。

つまり、チラシなどに表示される坪単価の表示は、大抵はベランダの面積などを含んだ施工面積で除した数値を表示しています。
確かに、この表示方法が合理的だとは思いますし、玄関ポーチや吹き抜けもベランダも費用が発生する訳ですので、坪単価に組み込むのはごく自然な考え方だと思います。

ところがお客様の方はそういう認識がない方が一般的ですので先ほどの例でいきますと、
「50万かあ~。 ちょっと高いんじゃないの?」
なんてことになりかねない訳です。

ほんとのこと言いますと、この坪単価の話は、私は邪道だと思っているんです。
確かに一つの目安にはなりますが、的を得ていないとでも言いますか、とてもいい加減とはいいませんが、曖昧さが多分に含まれた考え方だと思っています。

分り易くいいますと、

例えば同じ40坪の家で、片やごくごく平凡なデザインとかの造りで、片やリビングの天井が勾配天井で、化粧の梁などがあったり、デザインも少し凝っていたりした場合、どちらが費用がかかるかは誰でも解ることですよね。これを一律に坪いくらと言う訳にはいかないと思うんです。

坪数と坪単価について

次の例のような考え方も知っておくべきです。
例えば、30坪の家と40坪の家と、建物の仕様(仕上)などが全く同じだったとして、どちらが坪単価は安くなるでしょうか?
いや、言い方を変えるとしたら、同じ坪単価で請負った場合、工務店はどちらのほうが儲かるのでしょう。

感の良い人は既にお分かりの筈です。30坪の家でも40坪の家でも、ユニットバスやシステムキッチンは、それぞれ一ヶ所の筈です。
ですね?
ですから、例えば二つで120万円だとした場合、30坪の家は、
120万円/30坪=4万円/坪
40坪の家は、
120万円/40坪=3万円/坪
と、なりますね。
工務店は同じ坪単価で40坪の家を請負った場合、これだけで1万円/坪も儲かる勘定になります。

これでお解かりのように、
同じ仕様の場合、建物の規模が大きくなればなるほど、坪単価は下がらなければならない訳です。
ですから、
坪単価を一律に考えてしまうと、場合によっては、大きな無駄な損失を被ることも念頭に入れておいたほうが良いと思います。

そもそも、
建物がいくらになるかなんてことを、坪単価で論ずるほうがおかしいわけで、
やはり、

一個一個の部品を積算し見積化して、初めてほんとの値段が出てくるのが当たり前の話で、その結果として、たまたま面積で除してみたら、坪単価がいくらになったという考えに立たない限り、いつまでたっても明朗な形にはならないと思っています。

新聞やチラシなどに、
坪285,000円とか300,000円とか、大々的に宣伝している会社がありますが、
建物仕様もそうですが、
全ての建物規模でもそうなのか、
施工範囲はどこまでなのか、
例えば給排水工事はどこまでの金額なのか、
電気工事はどうなのか、
クーラーの配管は?
カーテンやブラインドは?
等々、新聞やチラシだけでは決して分らない部分が数多くあります。

私は、それぞれの会社の考えがありますので、
このような宣伝方法や集客方法が良いとか悪いとかは言えませんが、
少なくともそういう会社に飛び込んでみた方が、
「とてもじゃないけど頼む気にならない」
と言いいながら、半ばあきれ果てて私のところに駆け込むようなことでは、少々度が過ぎたやり方として、許容範囲を逸脱しているように思いますがいかがでしょうか。

「家のコストについて」は、この辺にしておきます。

引き続き「良い家とはどんな家なのか」を記述したいと思います。次へお進みください。


ページトップに戻る

タイトルとURLをコピーしました