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ステップ【6】留意事項(知って得する現場チェックの知識)
[6-3-3]地盤改良
地盤調査の結果、あなたの所有している土地が良好(硬い)な地盤でしたらラッキーですね。
ほんとは土地の値段が、この地盤の硬さも考慮した値段設定になっていれば助かりますよね。
不幸にして軟弱な地盤でしたらどうしますか?
ここでは軟弱な地盤が比較的浅い地層の場合の対処方法について述べることにします。
軟弱な地盤の層が深い場合の対策については、またの機会に譲ります。
軟弱な地盤が比較的浅い地層の場合の対処方法として、地盤改良という方法があります。
へたな文をゴタゴタ書いても理解しづらいでしょうから、実際の施工写真で説明いたします。
地盤改良の方法はいろいろなやり方があります。一つの例としてご覧ください。
この平らな敷地は、数年前に分譲を開始した造成地でした。見た目にはもちろん良好な土地かどうか分りませんし、私としてはどんな土地でも、その性格は信用しないことにしていますので当然ながら地盤調査をします。結果、割合と良好なポイントとやや不良のポイントがありました。不良なポイントは深さ70cm位まで軟弱な地盤でした。
ここに木造の2階建てを計画しています。
通常でしたら、この基礎にすれば絶対大丈夫という自信はありましたが、多少不安な感じもありましたので、思い切ってお客様に地盤改良をお勧めしました。
地盤改良するには多少の費用がかかりますので、費用捻出が可能かどうか確認しておきたかったこともありますが、何よりも将来危惧される事態だけは避けて、安心して暮らせる家であって欲しいという思いがありました。
調査結果を基に、細かい説明と私の考えを述べて強くお勧めしました。幸い快諾を得まして地盤改良の施工になりました。
以下、地盤改良工事の施工の流れと簡単な解説です。
まず建物が建つ範囲にセメントを敷き詰めます。
ユンボでセメントを平均に均します。
均したセメントと土を攪拌しながら均等になるように混ぜます。
ここの場合深さ約70cmが改良する低盤ですので、その深さまでセメントが均等に混ざるように何回も作業します。
攪拌が完了したら、基礎の形状(ここの場合掘り下げタイプのベタ基礎)に合わせて、満遍なく転圧をかけて行きます。写真は掘り下げ部分の転圧中です。
地盤改良工事がほぼ終わりかけています。この後転圧しながら整地されていきます。完了しますと直ちに基礎工事が始まります。
一般にどんな地盤でも平均的に均一な硬さの地盤は、まず無いと言っても良いと思います。その為に場合によっては建物に、例えば不同沈下などの現象が現れてきて、建物が傾いてきたりして、建具の建付けが悪くなったり、床に傾斜が出来たりして悲しい事態になってしまいます。
上の写真のようにして、
地盤を改良しなければならないかどうかの判断は、
地盤調査の結果をどう解釈するかにかかってきますので、ある意味高度な技術的判断が求められます。
軟弱な地盤と知りながら、何の手も打つことなく建てられた建物の悲劇は、もう申すまでも無いことですね。
さらに悪いのは、地盤調査そのものをしないで、単なる経験やカンに頼った判断は、場合によっては致命的な結果をもたらす危険性があることを知るべきだと思います。
最後に地盤と基礎についての総括をします。