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[3-3]構造見学会

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ステップ【3】物件調査(情報収集+足)(自分の目で確かめる)

[3-3]構造見学会

構造見学会に足を運び何を調査し、何を学びますか?
ここでは、良い家づくりをするために、構造見学会に参加した時の、調査の仕方について記載してみます。

構造見学会では一体何を調査したらいいのでしょうか。
構造を自慢する工務店
「当社の家の基礎は他社よりも丈夫にできています」
「当社の家の構造は他社よりも丈夫にできています」
「当社の家の柱は全て4寸角を使用しています」
「当社の家の柱は桧を使用しています」
「当社の家の構造は耐震上とても丈夫に作られています」
「当社の家は構造用金物をどこよりもふんだんに取り付けています」
「当社の家の木材は他社よりも大きい木材を使っています」
「当社の家の木材は骨太です」
折り込みチラシやDM、メディア広告などでよく見られるキャッチコピーです。この他にも、もっといろいろあるかと思います。

棟上直後、つまり構造体がむき出しになっている段階でのこの構造見学会は、建物の構造がどのようになっているのかを知るには、絶好の機会であることは確かです。
当然、施工業者としては、家の構造が他社よりも優れていることを自慢し、
「丈夫で長持ちしますよ」
「地震に強いですよ」
などと言って、
「だから当社で建てたほうが得ですよ」
ということを言いたいが為に見学会を催します。もちろん名簿集めが主な目的であることには変わりありません。

どの業者がどんな家のつくりをするのか。これはとても重要なチェック項目のひとつです。
ですが、
あなたは構造のことについて、どの程度の知識がありますか。
上記のキャッチコピーの中で、多分あなたは、「桧」はわかるでしょう。「4寸角」もわかるでしょう。
では、

見学会を催してる施工業者に、次のような質問をしてみてください。

その前に、あなたは、例えば構造を見て、耐震上丈夫にできていると判断できるだけの知識がありますか?耐震上丈夫であることの意味はきわめて重要です。
そこで施工業者に、次のような質問をしてみてください。質問の意味が分からない方が殆どだと思いますが、語句をメモしておいてただ質問してみてください。
ここでのの目的は、家を建てた業者の耐震に関する知識度を知るためです。

この家(今見学している現場)の、
・柱の直下率は何%ですか?
・間仕切りの直下率は何%ですか?
・耐力壁の直下率は何%ですか?
・偏心率は何%ですか?
一つ一つ答えられるだけの確かなデータを見せていただけませんか?
施工業者から何らかの答えが返ってきましたか?

構造用金物を他社よりもふんだんに使っていると言うけど、
・他社はどのくらい使ってるの?

基礎は他社よりも丈夫にできていると言うけど、
・丈夫さの基準ってあるの?
・それを具体的に教えてよ!

当社の家の木材は他社よりも大きい木材を使っている
当社の家の木材は骨太だというけど、
・どの程度大きいの?
・大きいことは良いことなの?
・骨太って、なんとなく分かるけど具体的に説明して!
等々、実にあいまいな美辞麗句の羅列です。自画自賛のオンパレードです。

キャッチコピーだから、それでいいといえばそれまでですが、それだったらそれで、現場でちゃんとした答えをもらうようにしたいものです。
当然、現場で担当者がこと細かく自慢話をしてくれるでしょう。それはそれで、良いとしても、肝心の聞き手、そうです、あなたにその説明の意味や違いや価値が分からなければ、構造見学会に参加している意義は見出せない筈ですよね。ただ漠然と、ああ、大きい梁だなあ!丈夫そうだなあ!これでは調査にはなりません。
ややもすると、そんな曖昧なところに、何故か意味もなく納得する自分がいたりします。

構造見学会に参加する際、調査事項をチェックリスト化して見学される方は、相当に勉強している方だと推察されます。こっそりとチェックリストを忍ばせて、それに基づいて効率よくチェックしたり、質問するほうが、より的確で中身の濃いデータとなります。では、どのような点をチェックリスト化しておけばよいのでしょうか。

あくまでも、建物の構造調査というくくりの中で考えた場合の、チェック項目は大体以下のようなことが考えられます。チェックする項目は、このほかにもいろいろあると思います。自分なりに適宜追加して、各社ごとに調査してください。
また、チェックリストには、各項目ごとに、各社ごとに、5、4、3、2、1、などのランクをつけられるようにしておくと、なおいいかもしれませんね。工夫して、後で比較検討しやすいようにしておくといいと思います。

構造見学会に出向いてチェックしておきたい項目

  1. 基礎の形状
    ・布基礎?  ベタ基礎?
    ・隅角部のハンチ ある なし
    ・鉄筋の配列を聞く タテ筋は何mm間隔? ヨコ筋は?
    ・基礎パッキン ある なし
  2. 構造材の加工は? プレカット? 現場加工?
  3. 床束、土台、火打ち土台、大引、根太(1階床組)
    ・各材の寸法? 樹種は? 等級は? 間隔は?
    ・防腐・防蟻処理は? 工場加圧注入? 現場吹付?
  4. 柱、通柱、間柱、筋違、マグサ、窓台(壁構成材)
    ・各材の寸法? 樹種は? 等級は? 間隔は?
  5. 桁、梁、火打ち梁、根太(2階床組)
    ・各材の寸法? 樹種は? 等級は? 間隔は?
  6. 小屋桁、小屋梁、火打ち梁、小屋束、母屋、棟木、隅木、垂木(小屋組)
    ・各材の寸法? 樹種は? 等級は? 間隔は?
  7. 構造用金物
    ・アンカーボルト 基礎と土台がちゃんと緊結されている。
    ・ホールダウン金物 基礎と柱がちゃんと緊結されている。小屋部分 ある ない
    ・筋違補強金物 筋違の上下にきちっと取り付けられている。
    ・土台と柱、柱と桁が内外部とも専用の金物でちゃんと緊結されている。
    ・羽子板ボルト 桁・梁と横架材がしっかり緊結されている。
    ・くら金物 垂木と桁または梁がちゃんと緊結されている。緊結の意味は、しかるべき場所にしかるべき金物が指定の釘で正しく取り付けられた状態をいいます。ですから、たとえ釘一本といえども、不足していては、十分な耐力が得られないことになりますので要注意です。

    どんなに大きい材料を使っても、施工精度が劣悪ですと、所定の耐力が得られず、構造上不安定となります。その結果、地震等に抵抗する力が不足して、思わぬ損害をこうむる原因ともなりますので、くれぐれも注意が必要です。

以上の調査を各社ごとにやってください。そして、細かく各項目ごとに比較検討してください。多分、比較した結果は一長一短だと思います。結論は出せないかもしれませんね。この段階では、それはそれで良しとしましょう。後日はっきりしてくる筈です。とにかくここは、上記の調査事項を最大限聞き出すことに専念してください。

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