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ステップ【4】設計ことはじめ(設計事務所か工務店か)
[4-4]誇りかお金か
仕事に対する誇りとお金について少し考えてみましょう。
ここでは良い家づくりをする為に「誇りを持って仕事する」「お金儲けのために仕事をする」について述べてみます。
ここで言う家づくりにおける「誇り」と「お金」とは、一体どういう意味でしょうか。
● 家づくりに誇りを持って取り組んでいる会社
建築物は都市の広がりの原動力となる力があります。都市計画上、建築物の存在の仕方(在り様)はきわめて重要な要素となります。その都市形成の担い手が設計事務所であり工務店等であると言っても過言では無いでしょう。
無から有を生み出す技術を持った典型的な専門家(職業人)たちは、自分の手がけた建築物の、都市における存在価値を気に掛けながら、日々の業務に邁進していると言っても、まんざら誤りでは無いような気がします。
都市の形成と関わりながら業務をこなす事と、商行為として業務を行なうことは決して矛盾しない訳ですので、何ら問題は無いのですが、商行為における利潤の話になると、特別な意味をもって論じなければならない場合があります。
どういう事かと言いますと、どんな商行為でも適正な利潤を得ながら企業としての存続を一番に考えます。ここで企業存続の意義を唱えても仕方ありませんので、詳細についてはお話しませんが、企業を存続させる意義の一つに、社会への貢献があり、その為に誇りを持って仕事をするということがあります。
商行為は社会との繋がりの中で存在価値を求める一面がありますので、この誇りを持って仕事をすることそのものが、会社のエネルギーを高揚させ、その結果としてまた、社会に貢献できるという好循環の側面も持ち合わせています。当然利潤なくして企業の存続は無い訳ですが、その利潤が適正であるかどうかが問題視されます。
家づくりもまさに商行為です。
企業としては、家を造る、売る代償として設計料や工事代金を得る訳ですが、造る値段や売る値段が適正なのかどうかが問われるという訳です。
一般的に、技術職の人々は、自分の技術に対する「技量」を誇示する傾向があります。それは、いい意味の職人肌的考えであり、技術者としての「誇り」という得体の知れない、意味不明の感覚に支配されるときに現れてきます。
[4-2]技術はしっかりしているかで述べましたように、「納めのワザ」にこだわり、建築空間論に泡を飛ばし、建築美学的手法を取り入れることで、建主の感動と喜びの顔を見たいというよりも、むしろ、建築学上の芸術論を自分で組み立て、それを現場で実現して、喜びに浸りたいという自己満足の境地です。悪く言うと、建主の物件を実験場に捕らえ、自己満足に悦に入ってるという光景です。
しかし、職人気質なんていうものは、およそこのようなことが普通に考えられ行なわれている世界です。その考えが、良質の家となり、建主の満足度を高めていくことは十分にあり得ることです。
このような場合、一般的には利潤の追求は度外視され、もっぱら良い家づくりに神経が集中しますので、結果として儲けるどころか赤字になるケースも多々あります。
それでも、建主の「満足度」と自分の「悦」との奇妙なバランスが、家づくりの醍醐味なんだよなあ、などと豪快に笑い飛ばす社長を見ると、家づくりって凄い世界だなあなんて思うこともあります。
家を「誇り」というスパイスで仕上げていく。最近滅多なことでは見られない世界でもあります。
●家づくりは、お金を儲けるためにあると考える会社
仕事をしてお金を儲けることは、誰が考えても決して悪いことではありません。ごくごく当たり前のことです。しかし、儲け主義で仕事をするという表現をしたらどうでしょうか。少しニュアンスが違いますね。悪徳な感じがほんわかと臭いませんか?
どこの世界にも、人を騙して不正な利益を得たりするケースはありますが、最近特に多くなったような気がしないでも無いですね。
家づくりでいいますと、悪徳業者の行なう騙しの手法としては、次のようなことが想定されます。
- 正しい請負契約書や売買契約書を交わさないで口約束だけで家を建てる。又は購入させる。
- 簡単な図面しか渡さない。
- 見積書を渡さないか、もしくは簡単な一式見積もりしか渡さない。
- 一部のみ分割発注して、殆どの工事を一括丸投げする。
- その他
何故このような事をするのか。その目的はお金儲けしたいからです。お金儲けは許すとしても、常識では考えられない法外な利潤を得るためだとしたら許されないことです。
利潤いついては、法律で定められている訳ではありませんので、いくら計上しても良いと言えば良い訳ですが、その為に、粗悪な家に住まざるを得なくなり、場合によっては、欠陥住宅を掴まされたとなると話は別です。
これらの反社会的なことが横行している現実を考えたときに、どうしたらそういう目に遭わなくて済むのかの学習をしておく必要があります。契約書の意味や交わし方、設計図書の意味、見積書の意味等々、基本的なことを知識として持っておくことの重要さを認識しておくべきだと思います。
自分の中にチェック機能が十分に働けるようになっているか、なっていなければ、チェックしてくれる有能なパートナーが居るかどうかが、極めて大事なこととしてクローズアップされます。
もしかして、大金をドブに捨てることになりかねない事態を、事前にキャッチすることが出来る、つまり転ばぬ先の杖をいつも手に持って歩いているかどうかが、あなたの家づくりを成功させる重要なポイントになります。
お金儲けに走る業者は、誇りや社会貢献などは決して考えません。安かろう悪かろうはあっても、安くて良い家なんて爪の垢ほども考えていない訳です。表面上は一見しても分かりにくく、それだけにとても怖い存在です。くれぐれも注意が必要です。
契約書の交わし方や図面や見積書などの詳細については、
こちらに具体的で詳細にわたり記述されています。必見です。