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[5-3-2]耐震設計4つのチェックポイント

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ステップ【5】設計の中身(こだわりに遠慮は無用)

[5-3-2]耐震設計4つのチェックポイント/耐震設計について

耐震を含め木造の構造設計上、極めて重要なチェックポイントについて考えて見ます。

◆1.柱の直下率

建物の柱の総本数のうち1階と2階の柱が一致している割合。
構造上出来れば1階の柱と2階の柱が、全て同じ位置にあることが望ましいわけですが実際にはそうもいきません。
そこで、目安として何%位ならいいかの判定材料になります。
共同住宅は大抵の場合100%になります。

通常50%以上が目安です。

◆2.間仕切り直下率

延べ間仕切り壁長さのうち、1階と2階の間仕切りが一致している割合。
柱と同様に、1階の柱と2階の間仕切りが、全て同じ位置にあることが望ましい訳ですが、実際にはそうもいきません。
そこで、目安として何%位ならいいかの判定材料になります。
柱と同様、共同住宅は大抵の場合100%になります。

通常60%以上が目安です。

◆3.耐力壁の直下率

筋違(または構造用合板)入り壁の延長さのうち、1階と2階の筋違入り壁が一致している割合。
1階の柱と2階の筋違(または構造用合板)の入った壁が、全て同じ位置にあることが望ましい訳ですが、実際にはそうはなりません。
そこで、目安として何%位ならいいかの判定材料になります。
共同住宅は大抵の場合100%になります。

通常50%以上が目安です。

(注意)
1~3までに掲げた目安の数値(%)は、間取りによってはクリアーできない場合もあります。
その場合でも、次の4.の項目は絶対にクリアーしなければなりません。

◆4.耐力壁量計算と耐力壁偏心率

これが最も重要なチェックポイントです。
耐力壁量計算は、建物のX方向とY方向それぞれに法律で定められている耐力壁の量を計算します。
耐力壁を何(例えば筋違とか構造用合板)にするかによって、計算上の倍率が定められています。

床面積と見付面積による計算をします。

この建物の例ではX面のみの計算ですが、法律が求める床及び見付面積による必要量と筋違の量を比較して見ますと、共に筋違の量の方が上回っていますのでOKということになります。

耐力壁には筋違のほかに、色々な構造用合板があり、壁倍率も違います。
耐力壁をどれにするかは、建物の形状や材料の特性やコスト面から検討して決定されます。

耐力壁偏心率は、建物の中心座標(重心)と、耐力壁(筋違入り壁)の中心座標(剛心)から偏心量を求め、その偏心量を建物の間口及び奥行で除した数値のことをいいます。

筋違をバランス良く入れるための指標となるもので、耐震設計上最も重要とされています。

偏心率がX方向Y方向共に限りなく0に近いほうが良いとされています。

通常15%以内が目安です。

この建物の例では、偏心率はX方向が0.005、Y方向が0.000になっていて、重心と剛心がほぼ一致しています。
出来れば、この数値が限りなく0に近いほうが良い訳ですので、構造設計をする段階で、筋違の位置を変化させながら、シミュレーションして最良の位置を探し出します。

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