設計の中身(こだわりに遠慮は無用)
家を建てる時に、
絶対にこれだけは実現したいことってありますか?
こんな質問しても、
すぐに返事が返ってくることは意外と少ないですね。
咄嗟に思いつかないということもありますが、
そこまで思いが及ばないなんて方もいらっしゃるかもしれませんね。
せっかく念願の家を建てるのだから、
「だよなあ、ちょっと考えてみようかなあ」
このステップは、そんな感じの内容になっています。
家を造る上で、
最低限こんなことを考慮して建てたらいいですよみたいな内容ですね。
どちらかと言うと、
家の構造に関連することが多いのですが、
完成した後からでは、もう遅い項目のみに絞って書いてある、
と思ってもらえば良いと思います。
ですから、
ホームシアターやオーディオルームを作りたい、
地下室を作りたい、寝室を防音仕様にしたい、中庭にしたい、
などのことについては、残念ながら触れていません。
別な機会に譲ります。
◆ 工夫は宝
家は工夫することでいくらでも楽しくなります。
「どうせ素人だから、どう工夫したら良いかなんか分かる筈ない」
なんて絶対に思わないことです。
手っ取り早いのは、
住まいやインテリア関連の本や雑誌を見ることです。
取り入れたいアイディアや工夫があっても、
予算的に実現できないこともあるかもしれませんが、
より楽しい生活にしたいのなら、やはり一工夫も二工夫もしたいものです。
◆ 基本に帰れ
あなたの地域はどんな地域ですか?
海岸に近い、山奥、盆地、高速道路の近く、高圧線の近く、普通の団地、
などのほかに、
いつも湿気が多い、雪が多い、高温多湿、地震が多い。
元々日本の国は高温多湿の地域で、
家の造りは夏をむねとして作られてきたと言われています。
盆地であれば盆地向きの家を、
雪が多ければその対策を講じた家を、
地震が多い地域なら、
同じようにその対策を考えた家づくりをしなければなりません。
無意味に、
よその国の家の造り方を持ってきて、
果たして長持ちする家となるのでしょうか。
今一度、
日本の国の家について考えてもいいような気がしますが……。
◆ シンプル イズ ベスト
あまりにもデザイン志向に走りすぎて、
平面形状に凹凸が多い、屋根が複雑、
その結果、
雨漏りが多い、
工事費が高くついた、
住み心地が悪い、
エアコンの効きが悪い、
などなど……。
家は自然に逆らわない造り方をするのが何よりも大事です。
風雨、強い日差し、台風、地震などの、
過酷な自然にさらされて生きていかなければならない家の造りは、
永年の経験上言えることなのですが、
シンプルな構えでなければならないと思っています。
シンプル イズ ベストです。
設計デザインを誇示する建築士が、
陥りやすいパターンの家の設計には、
上記のような問題を含んだ設計が良く見られます。
家は芸術作品的な要素もない訳ではありませんが、
何よりもまず、
人が快適に住むための器でもあるということを忘れてはいけません。
ですから、
設計図を一歩下がって、じっくり見て、
雨漏りの心配はないかなど、
自然と調和した造りになっているかどうかをチェックしたいものです。