設計ことはじめ(設計事務所か工務店か)
適切な判断が出来るようになる為の基礎を学びます
家の設計の重要さについては、どなたも認識されていることだろうと思います。
やはり、
自分の気にいった間取りとか外観とか仕様とか、
家を考えるとき、
どうしてもクリアしなければならないことが山ほど横たわっています。
最初から設計事務所や工務店任せにせず、
ある程度、設計についての予備知識を持って依頼するのと、
そうでないのとでは結果に大分差が出てきます。
つまり、
経験して分かることなのですが、
結果に対しての『気に入り度』がまるで違ってくるということです。
そのことをまず認識して、
このステップでは設計事務所や工務店等の業者の、
家づくりに対するあるべき姿勢や考え方などを中心に考察し、
そしてその結果を踏まえて、
どの業者に依頼したら間違いのない家づくりになるのかなどの、
適切な判断が出来るようになる為の基礎を学びます。
家づくりにおける、
あなたの求める価値観と、業者のそれとを、
どこまでフィットさせられるのかなどの、
家の設計に対する基本的なスタンスについて学びましょう。
◆ じっくり観察する
物事をじっくり見る癖をつけましょう。
どうせ素人だから、
「専門的なことなんか分かる筈ない」なんて絶対に思わないことです。
じっと観察していくうちに、
少しずつ少しずつ本物が見えてくるから不思議です。
これは、例えば良い工務店を見分けるのにも役立ちますし、
場合によっては、
言葉の裏に隠された真実をも見逃さない、
鋭い観察眼を養うことにもつながるかもしれません。
適切な判断や物の見方は、この観察眼によって生まれてきます
家をつくるのは、
設計事務所でもなければ工務店でもありません。
家を造るのは他でもないあなた自身なのですから、
物事から目をそらさずじっくり観察し続けましょう。
◆ 相手との相性も大事
ここでいう相性の相手とは、
設計事務所や工務店の営業マンであったり、建築の担当者のことをいいます。
人間は不思議なもので、
相性が良いと、物事がスムーズに行く場合が少なからずあります。
これは、
例えば工務店などとの交渉ごとにも影響します。
どうしてかは分かりませんが、
なんとなく肌で感じたり、心が引き合っていたり、
人間のもっている不思議な力の一つなのでしょうか。
血液型や生年月日を調べてまで相性診断するのはどうかとは思いますが、
交渉している時などに、
この人とは又はこの会社とは何となくそりが合わないなあなんて感じたら、
そっと調べるのも良いかもしれませんね。
家をつくるのは、まぎれもなく人です。
ですから、
人とのコミュニケーションが上手くいくに越したことはありません。
上手くいかないことで、悶々とするようでしたら、
もしかしたら相性が悪いのかもしれませんね。
任せられるかどうかを見極めた上で、
場合によっては、思い切って、相手を変えるなどして打開する勇気が必要かもしれません。
こういうことはあまり引きずらないほうがいいと思います。
◆ 実物件を数多く見る
モデルハウスなども含めて、
一棟や二棟程度の現場を見ても話しになりません。
各社の技術やデザインセンスを、
いろいろ比較検討した上で、どこに頼むかを決める訳ですので、
その比較検討するだけの物件は見ておく必要があります。
当然、
多くの現場やモデルや完成物件を見ておく必要があるという訳です。
しかし、
ただ見ればいいという訳ではありません。
『ステップ2』や『ステップ3』などの調査も含めて、
真剣に慎重に、そして疑問を持って見てください。
できれば短期間に集中して見て回りましょう。
時間をかけると焦点がぼけてくることも考えられますからね。
チラシや新聞雑誌などに記載されている、
物件の写真や図面を見て判断するよりも、
実物を見て判断するほうが現実的で間違いがありません。当然なことですよね。
そういう訳で、
是非とも実物の現場をできる限りたくさん見て回ってください。
そしたら不思議なことに、
各社の違いや自分が求める(イメージする)家の骨格がだんだん鮮明になってきます。
◆ 設計図書を見る
設計事務所や工務店などに出向いた時や、
モデルハウスを見に行った時や現場見学会、
構造見学会に参加した時でも良いのですが、
「この現場の図面の製本を見せていただけませんか」
と聞いてみてください。
おそらく平面図と立面図しかなかったり、
分厚い製本にぎっしり書いてあったり、
それこそ各社まちまちであることが分かると思います。
図面は現場の司令塔です。図面は建主の意思表示です。
ですから、
図面の数(枚数)が少ない現場の場合は、
建主の意思の伝達が正しく行なわれていない可能性があります。
また、図面に表示してしまうと、
逃げ(ごまかし)が効かないなどの理由で、
細部の表示をしない業者もあったりしますので要注意です。
これって結構多いですよ。
完成した現場を表面上だけ見たときには、
さほど問題はないように思えても、
隠れた部分がどうなっているかは、建物を壊してみない限り分りません。
そうです。
隠れた部分は図面(設計図書)でのみしか証明できないのです。
場合によっては、
その証明を怠っている訳ですので、
その業者は
『極めて重大なミスを犯している』
と思わなければなりません。
図面の持つ重要性について、ここでは省略します。別なところで詳しく説明します。
◆ 細部の希望を叶える
あなたの場合、
家を造るときには絶対にこれだけは実現するぞ!
みたいなこだわりってありますか?
あるいは、
子供のために○○○を取り入れて設計してもらいたい!
みたいなこだわりってありますか?
せっかく自分たちのために造る家なのに、
『自分たちの希望が叶えられない』
なんてことがもしあるとすれば、それは悲しいことですね。
もちろん、
予算あっての家づくりですので、
100%希望が叶うことはないかもしれませんが、
少なくとも、
その実現に向かって、
業者がどれだけの努力をしてくれたのかが問われます。
度重なる打合せを嫌がったり、
細かいことを敬遠しがちな業者は、
それこそ敬遠したほうが良いですよ。
ほんとに親切で、
本物の家づくりを目指している業者とは、
まず、
あなたのことを最優先に考えてくれる業者のことを言います。
口には出さなくても、
まず『会社の利益ありき』をちらつかせるような、
担当者などの言動を目にした時には、
悪いことはいいません、
即刻、打合せや取引を中止したほうが賢明です。
家を建てるのはあなたです。業者ではありません。
言ってる意味が分りますか?じっくり考えて見ましょう。