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ステップ【4】設計ことはじめ(設計事務所か工務店か)
[4-1]誰に(どこに)頼むかが問題
自分の家を誰に設計してもらい、どこで施工してもらいますか?
実はこのテーマは、とても大事なテーマで、家づくりに成功するための第一関門と言って良いでしょう。
ここでは良い家づくりをする為に、まず家の設計や施工を、誰に(どこに)頼んだら良いのかを考えてみましょう。
実はこのテーマは、とても大事なテーマで、家づくりに成功するための第一関門と言って良いでしょう。
ここでは良い家づくりをする為に、まず家の設計や施工を、誰に(どこに)頼んだら良いのかを考えてみましょう。
全体像は見えてきたけど、今度は家づくりのパートナー、つまり家の設計や施工を何処に頼むかで迷ってしまいます。親戚や知人にそのような関係の方がいらしたら、相談するのも良いのでしょうが、ここで、ちょっと待って!
私の経験上の話ですが、知人に頼んだばかりに、結果としてえらい目にあった。なんて言う人が結構多いということも、知っておく必要があります。知人であるがゆえに、言いたい事が、何となく言いにくい。
その結果は、 ……。
です。
もちろん知人の方でも、立派に仕事される方もおられる訳ですので、全てがそうだとは言いませんが、ほんとによくある話ですので、留意しておく必要があるかなと思います。
話を本論に戻します。設計や施工会社はどうして決めたら良いのでしょう。ここで少し次のことを考えてみてください。
先にご紹介しました、家づくりの標準的なスケジュール は、直接工事業者(施工業者)を選定してからのスケジュールで、設計事務所のことは一切触れていません。
単なる一例ですし理由はありません。その方が解り易いと思っただけです。
参考までに設計作業のフローチャートはこちらです。
ところが、実は家づくりの流れの中で考えておかなければならない方法が3パターンあって、その3パターンのどれにしたら良いのかが問題なのです。
そのことについて少し詳しく述べてみます。
ほんとのことを言いますと、家を造る上で、ここのところが最も重要な部分になります。
あなたの家を誰にどうやって造ってもらうかの、三つのパターンとは次のようなことです。
・大工さんに直接頼む
・設計事務所に設計を依頼し施工業者の選定もして貰う
・施工業者に直接依頼し設計と施工をして貰う
一つ一つ検討してみましょう。
大工さんに直接工事を依頼する場合、一番問題になるのが設計に関する問題です。
「こんな家を造りたい」
と、大工さんにおおよその希望の間取りを口頭もしくは方眼紙に書いて依頼したとします。
大工さんは、
「ああ分った。間取りを作って見積してみるから」
なんて言って、後日、簡単な図面と見積書(多分一式見積書)を持って来て、
「こうなった。後は任せてもらえば、いい家をつくるから心配ないよ。」
と言われて、すっかり信用してしまいます。こんな形で、全てに自分が納得した家が出来れば、宝くじを当てる以上に超ラッキー、と思ったほうが良いかもしれません。
つまり、なかなかそんなに上手くはいかないということです。
もちろん素晴らしい能力を持ち合わせた大工さんはいますので、そういう大工さんなら文句の無いところなのでしょうが……。大工さんの、家づくりの力量(能力)がどの程度なのかを推し量るには、その大工さんが建てた家を見るのが一番ですが、それとて、必ずしも自分に当てはまるかどうか疑わしい部分は残ります。
大工さんの力量に全てを任せる度胸があって、一種の掛けですが、結果に責任が持てるのであれば、それはそれで良いのかなとしか言えませんね。
建てる前に、どんなイメージになるのかが、大工さん本人は解っていても、当の家を建てる本人(建主)が解らない(イメージできない)家づくりだけは、絶対にしないほうが良い、ということだけは申し上げておきます。
それと、大工さんはあくまで大工の工事は自分でしますが、他の工事、例えば基礎工事は下請けとして基礎工事業者に外注する。つまり、工務店みたいなことをするのだということも、併せて知っておいた方が良いと思います。
良くこんな話を耳にします。
「設計事務所に設計を頼むと高額の設計料をとられる」
「その点、工務店に頼むとせいぜい確認申請料ぐらいで済む」
だから、工務店に頼む?もちろん一理ありますし否定はしません。但し、それは次のことを、満足してくれる工務店であるというのが前提となります。
・全てに満足できる設計で、
建てる前に完全にイメージできる図面を作成してくれて自分でも納得した。
・工事費のチェックは十分出来た。
・施工が図面通りに進み、最初のイメージ通りに家が完成した。
工務店が工事の請負金額で、生計をまかなっているとすれば、設計事務所は設計料で生計をまかなっている訳です。これは当たり前の話です。
ところが、工務店と比較して、こと家の設計に関しては、プロであり設計の精度が違います。この精度の違いと、チェック機能が働くという点で、工務店とは一線を画していると言っても良いと思います。
もちろん、だからと言って、必ずしも工務店はダメだとは言えません。工務店にも設計能力の長けた優秀な技術者を抱えているところもあります。逆に、設計事務所の看板は掲げていても、家の設計技量はからきしダメだなんていう建築士もおる訳です。
どちらがいいかは、建主である自分が納得する形、言い換えれば、家を建てる前に明確にイメージできて、その通りに現場が出来上がるのが理想な訳ですから、その観点から検討したほうがいいと思います。
設計事務所に設計を依頼し施工業者の選定もしてもらう最大のメリットは、設計という高等技術を、お客様(建主)の「満足」という二文字を形にし、 図面という媒体を通して、家のイメージを建主に伝達し得ることです。
この能力や技術に対して設計料という名目で対価を払う訳です。また、見積チェックや現場が図面通りに進んでいるかどうかのチェックも、とても重要な作業の一つですので、それらをやってくれる設計事務所に設計料を払うことは、場合によっては、いやむしろ結果として、その方が全体の費用の節約になる場合が少なくありません。
工務店の手抜き工事は、建主には解らなくても、設計技術者には、良くチェックすれば事前に分ることですので、後から後悔することが少なくなります。 また、こんな筈じゃなかったなんてことも少なくなります。ですから、設計料は高いと言うのは当たらないと思います。
それによって、自分が納得する良い家が出来るのであれば、むしろ、積極的に設計事務所に家の設計をしてもらうべきだと思います。
最近、設計事務所に依頼するケースがとても多くなりましたが、この背景には、そういったメリットと、工務店の施工の質の低下が、お客様に不安感を抱かせているという一つの考えの現実的な現われではないかと思われます。
賢い家づくりは、
長年にわたり現場の場数を踏んだ設計士で、
親身になって家の設計をしてくれる方にお願いするのが、
結局は最良の方法なのです。
住宅展示場に行って、すっかり舞い上がってしまって、営業マンの言うがままに契約してしまった。なんて話は良く聞きます。
全国系のハウスメーカーや、地場の大手のハウスメーカーなどが、展示場を営業所化し、集客し成約に結びつける手法は、大手なら殆ど何処でもやっている事です。
この事をことさら問題視する気はもちろんありませんし、いやむしろ今流の良い方法なのかもしれません。
当たり前の話ですが、見学して舞い上がってしまったモデル住宅は、あくまでモデルであって自分の家ではありません。
家は、建てる土地の環境によって、設計面や建設費など違ってきます。
つまり家というものは土着性の強い性格をしてますので、その事を念頭において全てを語らなければならないと思います。本論の施工業者(工務店等)に直接依頼し設計と施工をしてもらう。ということと、住宅展示場の話はまんざら関係のない話ではないのです。
どんな場合でも、その土地にフィットした設計や施工が求められる訳ですので、工務店やハウスメーカーに、それ相応の良い設計をしてくれるスタッフがいなくてはなりません。
ややもすると設計技術者がいても能力的に劣るか、技術者がいないが為に設計を外注している工務店が相当数存在します。外注された設計に魂は入りません。単なる一つの仕事にしか過ぎません。出来上がった家は魂の無い単なる器でしかありません。
やはり、人の住む家は、とことん魂の入った、そして、こだわりをもったものでなければなりません。もし、どうしてもハウジングメーカーや工務店等の施工業者に設計と施工の両方をお願いする場合は、それらを念頭において、優れた技術者がいて、真面目に家づくりに専念している業者を選ぶべきだと思います。
本当のことを言いますと、例えば工務店に設計能力の優れた人材がいて、施工能力に特に秀でていれば最高だということですね。ですが、はたしてそういう工務店を探し出すことが出来るのでしょうか?
もう一つ、例えそういう工務店が見つかったとして、先ほどの優れた設計能力の設計士が、あなたの家を設計してくれて、そして優秀な現場管理者が現場を管理してくれたらいいのですが、その保証は無いと等しいですから悩ましい訳です。現場は大工の力量も問われますので、それこそ優秀な腕の大工に当たるといいのですが……。
優秀な設計士と現場管理者(設計士と兼務の場合あり)と優秀な大工。
う~ん……、と唸りたくなりますね。(笑)
同じ工務店で、同じ金を払っても、満足できた家とそうじゃない家が生まれる。これって「アリ」ですかね?