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[6-4-1]基礎の種類とその解説


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ステップ【6】留意事項(知って得する現場チェックの知識)

[6-4-1]基礎の種類とその解説

地震などが起きた場合、
水平(横揺れ)もしくは垂直(直下型)の強い力が建物にかかってきます。
地震は地盤の振動ですので、
直接地盤に接している基礎の構造は極めて重要な意味合いを持ちます。

基礎には色々な形(断面)がありますが、形により構造上の特性が違ってきますしコスト的にも違ってきます。
ここでは、その辺を詳しく解説してみたいと思います。

どの基礎にするかを決めたら、その旨を施工業者に伝えて見積して貰ってください。

家造りの基礎は基礎にあり、なんて駄洒落を言うつもりはありませんが、
とにかく、
家造りの根幹を成す部分ですので、しっかり勉強しておきたいところです。


1.布基礎

ごく一般的な形状で、配筋も一般的な布基礎です。各寸法については若干違う場合もありますが、公庫基準には合致しています。ご覧いただくとお分かりでしょうが、建物内部は土のままです。これですと、土に含まれる湿気が床組みに影響を与え、腐食や耐久性に問題が生じ易くなります。
対策として、せめてこの土の上にビニールシートを被せて、乾いた砂などで抑えておくだけでも随分効果があります。


2.布基礎+防湿コンクリート

この図面は、上の例に内部に厚さ60~100mm程度の防湿コンクリートを打設した例です。こうしますと床下からの湿気が防止出来て耐久性が格段に良くなります。メッシュ筋といいまして、格子状の番線を敷き詰めてから防湿コンクリートを打設したほうがより良くなります。特に床下に床束を配列する場合はお勧めです。布基礎の欠点は建物の荷重や地震力や風圧力を線で抵抗させようというものですので、やや不安な所があります。
また、建てる場所によっては不同沈下が生じ易くなります。出来れば、コスト的には高くなりますが、後述のベタ基礎タイプにしたほうが良いかと思います。


3.ベタ基礎-平板型

ごく一般的なベタ基礎の形状と配筋例です。
一般的な施工方法としては、割栗をランマーで固めてその上に30mm程度の捨てコンクリートを打った後に、ベース配筋+立ち上がりの配筋をし、ベースとして150mm程度の厚みの生コンクリートを打設します。
下の図面をよく見てください。捨てコンクリートがありません。割栗をランマーで固めた後、すぐ防湿フイルムを全面に敷きこみ、ベース配筋+立ち上がりの配筋をし、ベースとして180mmの厚みの生コンクリートを打設します。この方法は、施工手間を省き工程を短縮出来ます。また一体のコンクリートをさらに厚く打設しますので、構造上の強度が高まります。
ベタ基礎の長所は、建物の荷重や地震力や風圧力を”面”で抵抗させようと言うものですので、応力(抵抗する力)が分散され構造上安定します。また不同沈下が生じにくい構造になっています。出来れば最低でもこの型の基礎をお勧め致します。


4.ベタ基礎-平板型-犬走りタイプ

犬走りコンクリートは後打ちするのが一般的です。基礎の型枠の関係でベース筋と同時の配筋が不可能の為、どうしても後打ちになる訳です。
ところが、この方法ですと、筑後時間の経過とともに犬走りと基礎との境に亀裂が生じてしまいます。雨の浸透を防ぐため、亀裂部分をモルタルで詰めたりコーキングしたりして補修しますが、見栄えも悪くなりあまり好ましい方法じゃないと思います。
そこで下記の図面のような基礎にしますと、それらを一挙に解決できると同時に犬走り自体の強度も増します。
下の画像は、この方法で施工した現場の例です。

 

ここで注意しなければならないのは、
画像にあるように雨水などを排水する管をあらかじめ設置しておくことです。


5.ベタ基礎-深堀型

上の図のように、建物の外周部を深堀型の基礎にすることにより、地震時の建物下部の地盤の移動を防止し、建物が安定するよう工夫されています。また、犬走り用の配筋がし易いように、100mmほど外側にずらして生コンクリートを打設します。コスト的には少々高くなりますが、建物の安定度はグンと増してきます。
尚、捨コンクリートを止めて、厚さ180mmのコンクリートを打つことも可能です。
下の画像は、この方法で施工した現場の例です。ベース部分のコンクリートの厚さは180mmです。

 


6.ベタ基礎-深堀型-犬走りタイプ

これは、さらに犬走りまで一体化したものです。コストが一番高くなりますが、出来ればお勧めしたいタイプの基礎です。
尚、捨コンクリートを止めて、厚さ180mmのコンクリートを打つことも可能です。


7.隅角部のハンチについて

基礎の隅角部分を、画像のようにしますと水平応力が増して、地震の衝撃に抵抗します。このようなちょっとした工夫で、非常に強固な基礎になりますが、手間がかかってしまい、残念ながら、このような施工をしない業者が多いようです。


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